分散型金融(DeFi)の盛り上がりによって、分散型取引所(DEX)の8月取引高が110億ドル(約1兆1650億円)を超えた。

アナリティクス企業のDune Analyticsによると、8月の取引量は前月比で152%増となったという。

DEXの取引量が急増している要因は、ここ数ヶ月で取引量が急増しているUniswap(ユニスワップ)の影響だ。Uniswapは過去7日間で28億ドル、過去24時間でも8億7700万ドルの取引量となっている。

さらに、投資家のDeFiへの注目が高まりによって、Uniswapは8月30日には1日の取引量が、米最大の仮想通貨(暗号資産)取引所であるコインベースの投資家向けプラットフォームであるコインベースプロの取引量を上回った。

Uniswapのデータによると、当時は24時間で4億2600万ドルを取引した一方、コインベースプロは3億4900万ドルだった。

ここ数日の間では様々なDeFiプロトコルの価値を押し上げている。

分散型金融を手がけるシンセティクス(Synthetix)は、コンパウンド(Compound)やAaveに続いて、ロックされた資産が10億ドルに達した。シンセティクス・ネットワーク・トークン(SNX)は2020年に大きく利益を上げ、8月15日には史上最高値である7.32ドルを記録した。年初来で400%の暴騰を見せている。

シンセティクスはスマートコントラクトを通じて、イーサリアムブロックチェーン上に構築された分散型取引所(DEX)と分散型の合成資産を発行するプロトコルだ。ただ、トークンやステーブルコインのような仮想通貨ではなく、合成資産「シンセティック・アセット(Synths)」間の取引を提供している。

「Synths」とは様々な資産がトークン化された表現のことだ。例えばイーサならsETH、米ドルならsUSDという合成資産を生成することで、オリジナルの資産と同じ値動きをする合成資産を生み出すことができる。生成した合成資産はシンセティクスのDEX上で取引が可能になる。

既報の通り、ヤーン・ファイナンス(yearn.finance)のネイティブトークンであるYFIが過去24時間で75%以上上昇し、仮想通貨取引所バイナンスで38,883ドルの史上最高値をつけた。これによって、時価総額は10億ドル以上に押し上げられている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン