大手仮想通貨(暗号資産)取引所バイナンス(Binance)のジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、コインテレグラフとのインタビューで、取引所がグローバルに成功するための4つの基準について語った。
「グローバルなマインドセット」が必須
CZは、「グローバルなマインドセット」が不可欠であると強調した。実際には「グローバル」であると主張する仮想通貨取引所であっても、特定の地域にのみ集中する傾向があり、そのため国際的なプレゼンスが大幅に制限されていると指摘する。
「まず第一に、グローバルなマインドセットが必要だと思う。多くの仮想通貨取引所は、グローバルな取引所であると主張しているが、それらをよく見ると、通常はチームの過半数が1つの地域に集中している。彼らのプロダクトは1つもしくは2つの言語でのみ利用可能で、カスタマーサービスで利用できるゲンゴも1つか2つかだ。オフラインイベントは自分の地域でのみ行われる。その結果、ほとんどのユーザーは一定の地域からのユーザーだけになる」
「真のグローバルなマインドセット」を達成することは、非常に困難な作業だと、CZは続ける。
「創設者が世界の多様な地域で住んだり、働いたことがない場合、彼らがグローバルなマインドセットを持つことは非常に難しいだろう。あなたがグローバルな考え方を持っているなら、あとは実行するだけだ。実行することも物凄く困難なことだが」
成功への4つのステップ
さらに、CZは仮想通貨ビジネスがグローバル化に向けて注力する4つの重要な要素を指摘している。
1つ目は、持続可能なビジネスモデルを確立することだ。
「ビジネスオーナーは、規模を急速に拡大したり、世界に向けて大規模に拡大したりする前に、明確な収益性のあるビジネスモデルが成功しているかどうかを評価する必要がある」
もう1つの重要な要素は、地域によって大きく異なる可能性があるユーザーの好みを知ること、そしてそれに応じてサービスを調整することだ。
「企業が複数の市場にサービスを提供している場合、プロダクトがローカル市場に合わせて調整されていることを確認し、ユーザーがビジネスを続けるための価値またはインセンティブを提供し続ける必要がある。これは仮想通貨取引所でも同じことだ。私たちは迅速に適応し、現地のマーケットの様々な需要に合わせて革新的なプロダクトを構築し、前進させ続ける必要がある」
CZによると、規制当局とコンタクトを取り、顧客に対する責任を明確化することも重要なことだ。
「グローバルな仮想通貨取引所は、現地の政府や規制当局と緊密に連携し、現地のユーザーがプラットフォーム上で問題なく取引できるようにする必要がある。中央集権型の取引所は、大量の資金を保管するカストディサービスを提供し、ユーザーの個人データをホストするため、ユーザーの資金とデータを安全に保つために、技術とセキュリティシステムを最適化し続けることが必要だ」
そして、CZは最後に従来の金融市場と比較して、仮想通貨業界はまだ初期段階になると指摘する。「仮想通貨ユーザーは1000人の中に1人くらいだろう」と、CZは指摘し、仮想通貨の採用はまだまだ低い状況だと付け加えた。
そのため、主要な業界のプレイヤーは「業界の構築、業界標準の引き上げ、仮想通貨の大規模な採用の推進、および仮想通貨業界全体の成長に責任を負うべきだ」と、CZは主張する。
CZは、ビジネスが大きくなると新しい課題が発生する傾向があるため、グローバルなプレゼンスを目指す仮想通貨取引所には一般的な青写真があるわけではないと話す。CZは「絶えず変化に適応し、ユーザーを第一に考え、収益性を確保する」能力は、企業が長期的に反映するのに必要なことだと語った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン