バイナンスの創業者で元CEOのチャンポン・ジャオ(CZ)は2月13日、Xの投稿で自身の愛犬の名前を公開した。これをきっかけに、ベルジアン・マリノア犬「ブロッコリー(Broccoli)」の名を冠したミームコインが次々と登場した。
「ブロッコリー」名のミームコインは、ソラナ基盤のPump.funなどの人気ミームコイン発行プラットフォームに登場。記事執筆時点で、ソラナ上には少なくとも480種類、BNBスマートチェーンのFour.Memeでは少なくとも300種類の「CZの犬」関連ミームコインが確認されている。中には急速に人気を集めたものもあり、ソラナ上の1つの「ブロッコリー」ミームコインは、2月13日時点で時価総額15億ドルに達した。
CZは自身がミームコインを発行しているわけではないと強調し、「それをやるかどうかはコミュニティ次第だ」と述べた。
Source: Changpeng Zhao
分散型取引所(DEX)のパンケーキスワップは、2020年9月にBSC(現BNBスマートチェーン)上でローンチされて以来、急成長を遂げている。DefiLlamaのデータによると、2月13日までの24時間の取引量は30億ドルに達し、ユニスワップやレイディウム、メテオラ、オルカを上回り、DEX市場でトップに立った。
ミームコインは、1月に米国のドナルド・トランプ前大統領とメラニア夫人が自身のミームコインを発表して以来、注目を集めている。この発表後、トランプ関連の詐欺コインが多数発行され、投資家を欺く事例が相次いだことから、ミームコイン市場に対する批判も強まった。一方で、短期間で急騰・急落を繰り返す「ホットポテト」的なトレードを楽しむ投資家もいる。
Top DEXs by 24-hour trading volume. Source: DefiLlama
BNBチェーンは、2025年のロードマップの中で「ミームエコシステムの支援を継続する」と明言し、「多くのミームツールプロバイダーがBNBチェーンと統合していることを喜ばしく思う。今後も2025年以降にわたり密接に連携していく」と述べた。こうしたミームコインブームも影響し、BNBの価格は2月13日に724.70ドルまで上昇した。
BNBチェーンのチームは、Four.Memeのチュートリアルの一環としてテスト用のミームコインを作成。チュートリアル内ではトークン名の多くが伏せられていたが、テスト用の名称が一部残されていたことで憶測が広がり、市場ではこのトークンの時価総額が数時間で数百万ドルに達した。
ミームコインの中には詐欺トークンも多く、開発者が様々な手口で「ラグプル」を行うケースがある。