イタリア系キューバ人のマリオ・マッツォーラ氏は、キューバで初となる分散型ビットコイン取引所「Qbita」を今月公開した。ブロックチェーン仮想通貨ニュースのデクリプトが4月23日に報じた。「ウルトラライトウエイト(超軽量)」のBTC取引所としている。
同国では、米国の経済制裁と低速度のインターネット接続が仮想通貨を取り扱う際の問題となっている。
ロイターの2019年9月の報道によると、キューバのモバイルショップ経営者ジェーソン・サンチェス氏(35)は、仮想通貨は一般市民に「新たな扉を開けようとしている」と述べていた。
仮想通貨の使用は米国の経済制裁を回避する機会だが、ほとんどの取引所はユーザーのアクセスを地理的な理由でブロックしており、仮想通貨の使用は困難とされる。
マッツォーラ氏は、ビットコインをキューバ人にとって必要なモノと主張しているが、ほとんどのサービスがキューバ人ユーザーをブロックする事態となっている。こういった状況で、Qbitaは、ビットコインの安全な売買および保管ツールとしてサービスを提供する。
同氏は、Qbita取引所の公開に先立って、Qbitaビットコインウォレットを2019年11月に公開している。同国の低速度のインターネットサービス向けに構築されており、わずか1MBで基本のインターネット接続で機能する。
パックスフルやローカルビットコインズといったP2Pの仮想通貨取引所はあるが、「どれも少し問題がある」としている。
「パックスフルは積極的にキューバをブロックし、ローカルビットコインズはKYC(顧客確認)を要求する。こういった法的要求はこの国の人々の助けにならない。つまり、この国では有効でないということだ」
Qbita取引所は公開以来、登録ダウンロード数が1週間で850から1100と30%増加している。
マッツォーラ氏は、キューバ人が「本来の目的でビットコインを使用できるようになる。お金を動かす自由と自身のマネーを完全にコントロールできる自由だ」と述べている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン