米商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)とステーブルコインが設計によって自由主義的価値を守るべきだと訴えた。
2014年から2019年までCFTCの委員長を務めたJ・クリスチャン・ジャンカルロ氏はFTライブ・クリプト&デジタル資産サミットで基調講演をし、プライバシーと検閲への抵抗力を確保するためにCBDCとステーブルコインが必要だと強調した。
ジャンカルロ氏は、インターネットの黎明期のころと比較し、30年前に米国やイギリスなどの主要民主国家が「情報のインターネット」を可能にし、開かれた自由な社会の価値を反映していたことに言及した。
「自由な世界と自由な人々は再び協力し、デジタル価値ネットワークの未来が、人間の価値と尊厳にふさわしい金融の自由と経済的自由の同様の基準を反映するようにしなければならない」とジャンカルロ氏は主張した。
デジタルドルプロジェクトを率いるジャンカルロ氏は、米国のリーダーシップがこの点で失敗しているとし、仮想通貨セクターに対する規制アプローチが敵対的なものに近いと批判した。「人間の自由にふさわしいデジタル通貨、ソブリンCBDC、ステーブルコインの基準を設定しよう」とジャンカルロ氏はのべた。
さらに、インターネットが情報収集ではウィキペディア、小売りではアマゾン、エンターテイメントではユーチューブ、ソーシャルネットワークではフェイスブックやツイッターのように、さまざまなセクターに革命をもたらしたとし、仮想通貨とブロックチェーン技術が速度・効率・自動化を向上させ、コストを削減し、新しいビジネスモデルを解き放ち、伝統的な市場構造に挑戦し、仲介者を置き換えたと指摘した。
その後、新しい「価値のインターネット」が経済的自由と金融の自由を高めるのか、それともフェイスブックやグーグルなどのテックジャイアントによって支配された「第二世代のインターネット」が批判されているように自由を奪うのかを問うた。
ジャンカルロ氏はまた、世界中でCBDCの開発とステーブルコインの使用が増加している統計を強調した。2024年までに、世界のGDPの98%を代表する134か国がCBDCの発行を積極的に探求している。2020年の35%から大幅に増加した。ステーブルコインの使用も劇的に増加し、11兆ドルのオンチェーン取引を決済し、Visaの決済量をほぼ上回った。ステーブルコインの時価総額も、2019年の30億ドルから2024年には1380億ドルに成長した。
一方で、ビットコインの時価総額はスイスフランを上回り、世界で13番目に大きな通貨となった。ジャンカルロ氏は、世界中の人々がCBDC、ステーブルコイン、仮想通貨を併用するという現実を指摘する。
元CFTC委員長は最後に、個人の経済的プライバシーと検閲への抵抗力を積極的な設計選択と自由な社会と開かれた経済にふさわしい競争優位とすべきだとし、「CBDCとステーブルコインは、基本的人権と市民的価値と一致する金融の自主性と包摂を求める世界中の人々にとって、望ましい道具として、そのアーキテクチャそのものに個人の経済的プライバシーを組み込むべきだ」とのべた。「市民は自分たちが監視され、操作されているかどうかを自ら確認できるべきだ」とジャンカルロ氏は語った。
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