バイナンスコイン(BNB)、ライトコイン(LTC)の価格がこれまでの24時間でそれぞれ約7%、13%と急騰している。仮想通貨価格の情報サイト「コインマーケットキャップ」によると今回の価格上昇は力強い取引高を伴っており、それぞれ10か月、12か月以来の最高値を記録。ちなみにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)等の主要仮想通貨の取引高も今年2月末以来急増しており、相場全体に同様の傾向が見られる。

「コインマーケットキャップ」のデータによると6日の仮想通貨相場全体の24時間取引高は約350億ドルで、2018年4月下旬にビットコインが1万ドル近くまで反発した局面と同じ水準となっている。

ただし楽観視は禁物だ。香港の某仮想通貨ファンド代表は「取引高は水増しが多い上、現状でも仮想通貨の存在意義が正当化されてきたとはいいにくい」と相場活況の持続性を疑問視。これ以外にもコインテレグラフが取材した複数の仮想通貨トレード関係者も今回の盛り上がりを一過性のものとした。

中国の仮想通貨取引所CoinTigerの代表フランク・リン氏は「仮想通貨相場全体で言うと底入れしたと見ている。長期的には上昇していくと見ているが、足元は横ばいの動きとなるだろう」。さらに、同氏は「仮想通貨の時価総額はまだまだ小さく、機関投資家が運用するリスクマネーの受け皿にはまだなりにくい。時価総額が上がっていけば、機関投資家はより積極的になっていくはずだ」とした。

仮想通貨のベンチャーファンド「ブルーブロックキャピタル」のデイビッド・キムCEOは、仮想通貨相場活況の根拠として「(米大手投資銀行)JPモルガンが2月中旬に発表したJPMコインがゲームチェンジャーだった。同コインは技術的な部分ではなく、JPモルガンのような最大手級の金融機関が仮想通貨に付随するネガティブなイメージにもかかわらず参入を決定したということが注目された。同行によるアナウンスは、ビットコインETFが米証券取引委員会によって承認される一つの兆候と見ている」と考察。ビッグマネーによる参入期待が市場センチメントを改善しているとした。

仮想通貨デリバティブ取引プラットフォームとして知られる仮想通貨取引所OKEXの最高運営責任者であるアンディー・チャン氏は、「イーサリアムのハードフォーク成功が相場にとって好材料になった。ビットコインに次いで取引高が多い仮想通貨イーサリアムのアップグレードは、ブロックチェーン業界にとっては象徴的な出来事だった。また、JPモルガンによるJPMコイン、みずほ銀行によるJコイン発行のアナウンスも好感された。投資家はうずうずしながら相場参入のチャンスを伺っているようだ」とした。

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