仮想通貨スタートアップのスワームは16日、手数料ゼロで仮想通貨取引ができるアプリ「ロビンフッド・クリプト」を提供するロビンフット社の株をトークン化し、スワームのプラットフォームに上場させた。これは未上場企業の株式への投資を民主化する同社の目標の第1歩となる。CNNが16日に伝えた

 評価額が56億ドル(約6204億円)と言われるロビンフッドの株は、同社によるセキュリティ・トークン・オファリング(STO)や株式市場の上場により、ロビンフッドの株を一般に提供するのではない。スワームは、ブローカーやシンジケート・マネジャーを介して、ロビンフッドの将来のIPOを前に、現金を手にしたいと考えている同社の元従業員から株を調達した。同株はシェルカンパニーによって保有されており、この株がスワームのプラットフォームでSRC20トークンとして上場された。

 このようにしてスワームは、公開前株式のトークン化をロビンフッドの許可を得ることなく達成した。6月にロビンフッドの株をトークン化しようとした際は、ロビンフッドの広報はCNNに対し、スワーム社のことさえ認知していないと話した。現在もロビンフッドはスワームについて同様のコメントをし、さらなる言及を避けた。

 スワームは株をベンチャーキャピタル(VC)以外にもアクセスしやすくする方法を発見したと確信しているようだ。フィリップ・ピーパーCEOは以下のように発言した。

「二次市場の株取引と、民間企業の株を保有している法人の借り換えは米国では新しくない。ここで新しいのは、これらの資産をトークン化したことだ」

 現時点では、規制に関する懸念により、スワームトークンは適格投資家への販売に制限されており、ベンチャーキャピタル(VC)の民主化はこの程度でしかない。スワームは将来的には小口投資家にも提供したいと話している。

 スワームは、コインベースやリップルなどテック系民間企業の株式をトークン化することを目指してる。それらのトークン化した株は、スワームのプラットフォームには上場していないが、コインベースはスワームに対し、停止するよう求める書簡を送ったと言われている。