米国の規制当局は、仮想通貨取引所デビエックス(Debiex)が顧客との恋愛関係を演出し資金をだまし取ったとして告発した。

商品先物取引委員会(CFTC)の1月19日の発表によれば、デビエックスのスタッフが顧客の信頼を得るために親密な関係を装って、顧客に取引所の口座を開設させようとしたという。デビエックスは顧客に対して資金が仮想通貨に投資されると保証したが、実際には個人の利益のためにそれを不正に流用したという。

CFTCの訴状によると、「デビエックスの役員やマネージャーが、信頼を得るための虚偽のコミュニケーションにより、潜在的な顧客と友好的あるいはロマンチックな関係を築き、その後デビエックスで取引口座を開設し資金を預けるよう勧誘した」とのことだ。

2年間のうちに特定された被害者はわずか5人であるが、規制当局は200万ドル以上が盗まれたと主張している。「2022年3月から現在にかけて、デビエックスは約230万ドルを約5人の顧客から不正に受け取り、流用した」という。

バレンタインデーが数週間後に迫る中、投資家は警戒が必要だ。特に、ロマンチックな関係を通じて仮想通貨ウォレットを接続したり、仮想通貨サービスに登録することに注意する必要がある。

最近では、ロマンス詐欺師が仮想通貨の人気に乗じて被害者を騙すケースが増えている。2023年5月、仮想通貨取引所バイナンスが火の粉を浴びた。テキサス州の女性が、Tinderで出会った男によって800万ドルを騙し取られたとして、バイナンスが詐欺師に取引所サービスを提供したことによる補償を求めたのだ。しかし、アモス・マザント判事はバイナンスが盗難に関与した証拠はないと裁定した

ロマンス詐欺師は従来の出会い系アプリでの長期にわたる信頼構築という方法ではなく、資金を素早く奪う新しい戦略を採用している。最近の報道によれば、新たな手口として、ターゲットを絞ったフィッシング詐欺が登場している