仮想通貨に対応した旅行代理店であるトラバラ・ドットコム(Travala.com)が、自社のサービスを非中央集権化することを目的としたバイナンスチェーンとの提携を開始したことを発表した。

トラバラ・ドットコムは非中央集権的なレビュー、ホテル予約、紹介システム、およびセールスチームの展開を行う予定である。ブロックチェーンによる仲介を必要としない可能性を活用し、将来的にはユーザーが物件の所有者と直接取引を行えるようになると、同社のファン・オテロCEOは説明した。

「この非中央集権的なモデルにおいては、宿泊先を探している人が仲介の必要なしに宿泊を予約できるようになる。言い換えれば、アパートや寝室やホテルの部屋を借りたいと考えている人が物件の所有者と直接取引を行うことができるようになる」

ユーザーの評価、係争の調停、管理の仕組みなどのためのツールといった、予約を容易に進めるのに必要な技術をトラバラ・ドットコムは提供するのみであるとオテロ氏は説明した。旅行サービスの提供者はオンライン上の自らの物件に関わるすべての側面を管理し、顧客と直接取引を行うことが可能となる。

非中央集権的な宿泊先予約システムを展開した後は、トラバラ・ドットコムは非中央集権的なレビューサービスを開発することに重点を置くことを計画している。レビューがチェーン上に保存されることで、提出後は削除や編集が行えないようになる。

また、偽のレビューを防ぐために、トラバラ・ドットコムはトークン化されたインセンティブを利用し、プラットフォーム上で予約を行って実際にその場所を訪れたユーザーのみがレビューを行えるようにする予定であるとオテロ氏は説明した。

現在のところ、トラバラ・ドットコムの事業がどれほどオンチェーンになるのか、オテロ氏にははっきりとはわからないという。「長期的に見れば、トラバラ・ドットコムのあらゆる側面がオンチェーンになることが望ましい」とオテロ氏は説明したが、これは実際的ではないかもしれないとオテロ氏は認めた。

「現実的に見れば、会社におけるオンチェーンの側面のいくつかを段階的に廃止しなければいけなくなるだろう。特定の機能は近いうちに実装するが、我々はオンチェーンとオフチェーンによるそれぞれの代償について比較し再検討を行うつもりだ」

トラバラ・ドットコムは今回の発表も含め、これまでも数多くの発表を行ってきた。現在トラバラドットコムは明らかに事業の積極的拡大を追求している。

今月の初めには、トラバラ・ドットコムは予約サービス大手であるアゴダとの提携によって60万軒を超えるホテルを追加した。7月にはエクスペディアもトラバラドットコムと提携を行い、70万軒を超える宿泊施設をプラットフォームが追加され、これによって予約件数で68パーセントの増加があった

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン