ブラジル中央銀行の総裁は、同国における仮想通貨の採用が急増しているとし、デジタル資産規制の強化によって対応する意向を示した。

9月27日のブラジル議会の財政税制委員会で、ブラジル中央銀行のロベルト・カンポス・ネト総裁は、ブラジル人による「仮想通貨の流入」が増加したと報告した。中央銀行のデータによると、2023年1月から8月までの仮想通貨の流入は、昨年同期比で44.2%増加し、総額は約359億ブラジルレアル(約1兆600億円円)だった。

ネト総裁はステーブルコインの人気を特に強調する。同氏によれば、ステーブルコインは投資よりも決済に使われているという。

ネト総裁はこれらの傾向に対応するために規制を強化し、仮想通貨プラットフォームを監督下に置くつもりだと語った。彼はさらに、仮想通貨に関連する問題として、税逃れや不正行為が含まれる可能性があると付け加えた。「多くが脱税や不正行為に関連していると我々は理解している」と彼は語った。

ブラジルは2023年6月に仮想通貨規制の権限を中央銀行に委ねた。ただし、証券として資格を持つトークンプロジェクトは、引き続きブラジル証券取引委員会(CVM)の管轄下にある。

また、ブラジル中央銀行は自身のデジタル通貨「ドレックス(Drex)」にも取り組んでいる。8月には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のブランドとロゴを公開した以前の報道によれば、ブラジルのブロックチェーン開発者ペドロ・マガリャエス氏がドレックスのコード内に中央機関が資金を凍結したり、残高を減らすことを可能にする機能を発見した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン