仮想通貨取引所FTXによるゲーム開発企業グッドラックゲームズの買収を受け、非代替性トークン(NFT)やブロックチェーンとの統合の可能性をめぐる懸念から、憤慨したゲーマーたちがSteamで同社のゲーム「ストーリーブック・ブラウル(Storybook Brawl)」をレビューボムした。

ストーリーブック・ブラウルは、21年半ばにオンラインゲームプラットフォームSteamでリリースされた、プレイ無料のオートバトルカードゲームである。このゲームのレビュー履歴を見ると、FTX USが買収を発表した当日の3月22日までは、圧倒的な支持を集めていた。

それ以降は「圧倒的にネガティブ」な状態へと移り、最近のレビュー761件のうち600件がネガティブなものになっている。購入の必要がないため、ゲームをプレイしたことがない人でも感想を残すことは可能だが、レビューの多くは、このゲームに多くの時間を費やしてきたプレイヤーによるものである。

「このコミュニティはNFTを支持しない。素晴らしいオートバトラーの悲劇的な最後だ」と、このゲームに130時間以上費やしたSteamユーザーのasnugglekittenは書いている。また、60時間以上プレイしてきた別のプレイヤーKing Bearは、次のように書いた:

「グッドラックゲームズは、仮想通貨企業のFTXに、『仮想通貨がゲーマーたちの中に入り込むのを助ける』手段として買収された。私はそれに関わりたくないし、興味を持っているものに仮想通貨が『侵入』するのも嫌だ。アンインストールした」

Storybook Brawl reviews: Steam

買収の一環として、ストーリーブック・ブラウルはFTX USのブロックチェーンゲーム部門に統合される。FTXのサム・バンクマン・フリード共同創業者は、「この分野ではまだ行われたことのない方法でゲームと仮想通貨取引を」倫理的に統合するという、同社のより広範な計画の概要を示している。

23日にこの動きについて語ったグッドラックゲームズのマット・プレイス創業者も、このゲームをトリプルAレベルに引き上げるための資金がついに手に入ったとして、これがプレイヤーと会社の双方にとって良いニュースであることを強調した。

仮想通貨に懐疑的な多くのゲーマーの懸念を消すことはほとんどできないかもしれないが、プレイス氏は、FTX USがゲームへのブロックチェーン技術の組み込みを要件にしていないことも指摘している。

「ブロックチェーン技術の検討は行う。価値を高め、プレイヤーの楽しみを生み出すために、実際にどのように活用できるか模索する。その方法が見つかればゲームに取り入れるし、見つからなくても、そうしなければならないという要求は受けていない」

NFT、仮想通貨、ブロックチェーンは、アーティストにもゲーマーにも幅広く採用されているが、どちらのコミュニティにもまだ懐疑的な人が大勢いる。

多くのアンチ仮想通貨ゲーマーにとっての主な障害は、詐欺やぼったくりというイメージや、仮想通貨の環境的な影響が中心になっていることが多い。

これまでに、ユービーアイソフト、ゲーマーに人気のソーシャルメディアプラットフォームであるディスコード、エレクトロニックアーツなど、多くの歴史あるゲームや企業が、仮想通貨・ブロックチェーンとの統合の可能性をめぐり怒りの矛先を向けられてきた。