法執行機関が詐欺師を摘発する能力を向上させたため、仮想通貨に精通したサイバー犯罪者が、従来の「ポンジスキーム」よりも「豚の屠殺詐欺」にシフトしている。

8月29日に発表されたチェイナリシスの仮想通貨犯罪レポートによれば、2024年には豚の屠殺詐欺が増加している。詐欺師たちは、オンチェーンとオフチェーンの両方で戦術を適応させ、より短期間で破壊的な詐欺を行うようになっている。

仮想通貨詐欺の平均存続期間は、2020年に始まった詐欺の271日から、2024年に始まった詐欺の42日へと大幅に短縮されている。

The average lifespan of scams is decreasing. Source: Chainalysis

チェイナリシスのサイバー犯罪調査リーダーであるエリック・ジャーディン氏は、詐欺の存続期間の短縮は法執行機関の努力の成果だとコインテレグラフに語った。

「法執行機関の介入により、詐欺師はインフラを迅速に転換することを余儀なくされ、オンチェーンでの追跡が難しくなっている。しかし、追跡とシャットダウンが難しいからといって、それは不可能ではなく、法執行機関の介入と資産回収の実績は心強いものだ」と話す。

さらに、年初からの詐欺の流入の43%が2024年にアクティブになったウォレットに流れており、新しい詐欺の急増を示唆している。その多くは豚の屠殺詐欺だという。

レポートは「このマクロトレンドは、広範に網を張る精巧なポンジスキームから、豚の屠殺詐欺のようなよりターゲットを絞った手法への詐欺師のシフトと一致している」と指摘する。

豚の屠殺詐欺は、詐欺師が被害者とオンラインで関係を築き、被害者を「太らせた」後に、最終的に詐欺的な仮想通貨プロジェクトに投資させる手法だ。

チェイナリシスは、このシフトが法執行の強化とステーブルコイン発行者が詐欺アドレスをブラックリストに載せることが一因だと指摘した。2024年にアクティブな最大の詐欺ウォレットの1つは、ミャンマーのKKパークと関連しており、今年これまでに1億ドル以上を稼いでいる。

さらに、詐欺師たちは中国発の違法サービスからFacebook、Tinder、Match.comなどのプラットフォーム上のソーシャルメディアのアカウントを購入し、豚の屠殺詐欺に利用している。

Monthly inflows to illicit services selling social media profiles. Source: Chainalysis

この違法サービスは、過去2年間で1000万ドル以上の仮想通貨の流入を記録しており、詐欺師によって200万件のソーシャルメディアアカウントが購入された可能性があるという。

ジャーディン氏は、詐欺師と被害者の間の関係を利用するインターパーソナル詐欺が多いとし、「これらの関係を形成する可能性が最も高い人々が、最も影響を受けやすいだろう。これには、高齢者、人生の転換期にある人々、友情やロマンスをオンラインで求めている人々が含まれる」と語った。

違法マーケットプレイスの1つであるフイワンギャランティは、2021年以来、490億ドル以上の仮想通貨取引を処理している。このプラットフォームは、豚の屠殺詐欺、投資詐欺、マネーロンダリングなどのさまざまな違法活動を支援しており、テレグラムなどのメッセージングプラットフォームで買い手と売り手をつなげている。

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