2020年の米大統領選挙は、仮想通貨(暗号資産)を利用した予測市場全体で大きなマイルストーンとなった。

イーサリアム共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、米大統領選の開票のさなか、選挙期間中に仮想通貨を利用した予測プラットフォームが大きな成功を収めたと賞賛している

「誰が勝つかに関係なく、今回、世論調査/モデルよりも予測市場の方が正確であることが証明されたと思う」

一般的な従来の世論調査では、11月はじめからバイデン候補の方が8ポイントリードしていることになっていた。しかし、大統領選を対象とした先物トークンは、その間も激しく揺れ動いていた。

仮想通貨デリバティブ取引所大手のFTXが手掛ける選挙マーケットは、過去24時間で激しい変動にみまわれ、開票数が増え始めるとトランプ先物が0.38ドルから0.80ドルに急上昇し、その後にバイデン候補のリードが拡大するにつれて価格が急落することになった。

現職のトランプ大統領が再選された場合に1ドルと償還可能なトランプトークンは、現在FTXで0.09ドル以下で取引されている。従来の集中型ブックメーカーも大きな変動にみまわれた。

11月3日、FTXでは約1600万ドル相当のトランプトークンが取引された一方、バイデントークンは600万ドル近くまで取引されていた。FTXのトランプWINトークンとトランプLOSEトークンも、合計で1000万ドル近い取引高を記録した。

イーサリアムを利用した分散型予測プラットフォーム「オーガー(Augur)」でも、選挙関連の取引高は860万ドルにのぼった。11月4日にオーガーは「今年の選挙市場は、オーガーv1の以前の2018年の住宅市場の建玉と取引高の記録を上回った」と投稿している

イーサリアムのインフルエンサーであるアンソニー・ササーノ氏は、今回の大統領選挙によって、分散型予測プラットフォームがユーザーに注目される機会になったと指摘している

Maticを利用した分散型予測プラットフォーム「Polymarket」でも取引高が増加し、1000万ドルを超える新記録をマークした。Polymarketでは、AP通信が11月6日までに大統領選挙の勝利者についての当確ツイートを投稿するかどうかなど、新しいイベントについてトレーダーが取引することもできるようになっている。

CoinGeckoによると、オーガーとバランサー(Balancer)を利用したCatnip ExchangeのYTRUMPトークンとNTRUMPトークンは、過去24時間で約130万ドルの投機を引き起こしたという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン