米証券取引委員会(SEC)は、ウィルシャー・フェニックスのビットコイン上場投資信託(ETF)の申請を拒否した。これは仮想通貨市場での市場操作への懸念や、監視体制の欠如のためだ。SECのヘスター・ピアース委員(通称クリプトママ)はこの拒否決定に反対している。

ウィルシャー・フェニックスのビットコインETFは、ビットコインと米国短期国債に投資するものだ。米国債とビットコインの両方に投資することで、BTC価格が不安定な時期には米国債でリバランスし、SECの懸念に対処しようとしていた。

今回の決定の理由を説明する中で、SECは「投資家と公共の利益を守るため」に、ビットコイン市場で「詐欺的なで操作的な行為や慣行」から身を守ることができる十分な証拠を提供できなかったためと述べている。

SECは、今回だけでなく、ビットワイズやヴァンエックなど、これまでに少なくとも9つのビットコインETFを拒否している。ビットコインETFについては、クレセント・クリプトなどによる仮想通貨ETFの提案がSECからの決定を待っている状況だ。

仮想通貨に理解を示した言動からクリプトママの愛称で呼ばれているヘスター・ピア―ス委員は、拒否決定に対して反対意見を表明している。ピアース氏は「米国の投資家にビットコインへのアクセスを提供しようとする提案が再び不承認となった」とし、次のように述べている。

「この一連の不承認は、委員会がビットコイン市場へのアクセスを提供する商品の上場を望まず、委員会がビットコインに適用する基準を絶えず変化させるため、どのような申請も基準を満たさないということになってしまう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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