仮想通貨業界のレイオフは、2月には推定570人の仮想通貨企業の従業員が解雇された。1月の推定2,850人から減少し、この1ヶ月で大幅に減速したようにみえる。

公に公表されている数字を集計したところ、2月には人員削減が少なくとも12社で行われた。とはいえ、1月に発表されたコインベースやCrypto.com、フォビなどでみられた100人以上にのぼる大規模なリストラはみられなかった。

2月に行われたほとんどのリストラは2桁台にとどまるものだった。業種としてはブロックチェーン分析会社、ブロックチェーンソフトウェア開発会社、デジタル資産プラットフォームなどだった。

最近のレイオフでは、仮想通貨分析会社Ellipticとメサーリがそれぞれ10%と15%の人員削減を行っている。

メサーリ創業者のライアン・セルキス氏は2月23日、人員削減は「市場の逆風」と「社内チームの再編」によるものだとツイートしている。27人程度の従業員に影響が出たとみられる。

一方、Ellipticの広報担当者は2月24日、DLNewsに対し、20人の従業員の解雇を決めたのは、営業経費を抑えるための措置であると語った

これは、今月初めに、同じくブロックチェーン分析企業のチェイナリシスが、900人の従業員のうち4.8%に相当する44人を「主に営業部門」で解雇したニュースに続くものだ。

オーストラリアを拠点とする仮想通貨リクルーターのニール・ダンドン氏はコインテレグラフに対し、「レイオフの急増は、Web3だけでなくハイテク全般のマクロな出来事で、不況の拡大懸念が影響している」と語った

Tech layoffs between January 2022 to February 2023. Source: Layoffs.fyi

レイオフ・トラッカー Layoffs.fyiのデータによると、2月にはテック系企業129社で合計24,572人が解雇され、1月のテック系企業268社で84,414人から減少していることがわかる。

「Web3は、少なくともビットコインが株式市場から切り離されるまでは、常により厳しい打撃を受けることになる。また、Web3での規制強化の懸念が影響するかもしれない。しかし、いつものように仮想通貨は回復力がある」とダンドン氏は言う。

ブロックチェーンの人材紹介会社Proof of Searchの創設者であるケビン・ギブソン氏は、「1月は、取締役会(とベンチャーキャピタル)が2022年の結果をみて)、最悪の事態に備えようとしていた」が「2月はレイオフされた人員が少なくなった」とコメントしている。

「企業はまだ素晴らしい製品を作っており、現在のチームは非常に手狭になっているので、これ以上のレイオフは多くの企業にとって自らの筋肉を削るようなものになる」

しかし、ギブソン氏は、米国の証券規制当局がまだ「さらなる痛みをもたらす」可能性があると警告している。FTXの破綻に関する報道が続き、「この分野とメインストリームでの採用に対する一般の認識に影響を及ぼしている」と指摘している。