米ヘッジファンド大手「エリオットマネジメント」は、顧客への第4四半期報告書で、仮想通貨を「歴史上最も見事なペテン(スキャム)」と評し、3ページに渡って仮想通貨への否定的な見解を述べた。2月20日にビジネスインサイダーが伝えた

 1月26日付の同報告書は、人々の仮想通貨に対する反応は「一体これはなんだ?」という感覚から、「このチャンスは逃せない」に変わったと説明している。そして、仮想通貨の投資家を「ブラックボックス」を買ってから中身が空だったことに気づく人たちに例えている。

 報告書はより大げさな表現も厭わない。仮想通貨は「無に等し」く、仮想通貨に投資したいという欲求は「人類の無知が無限であることを示している」と強調した。

 「この仮想通貨は、単なるバブルではない。単なるイカサマでもない。人間の馬鹿げたことを思いつける能力の究極の例なのだ。

 しかし、無に等しいものが神父や教区民を惹き付けて、価格を上昇させるというのは、素晴らしいことではない。できるだけ高い価格で仮想通貨を買おうとする大衆の意欲自体が、人類の無限の無知ではなく、仮想通貨の妥当性を示すとでも言うのだろうか?」。

 同様に報告書は、ビットコイン(BTC)の供給の限定性についても懐疑的な見解を示している。ビットコインの発行数の上限は2100万枚となっているが、エリオット・マネジメントは、ビットコインのブロックチェーンの分岐は、ビットコインの限定的供給を脅かすとして「この限定性は、ビットコインの伝道者たちが説いてまわっているほど神聖なものではない」と述べている。

 ビジネスインサイダーによれば今年1月1日の時点で、エリオット・マネジメントの運用資産は341億ドル(約3.7兆円)で、傘下のエリオット・アソシエーツの昨年の運用成績は8.7%だった。

 ちなみに昨年、仮想通貨をベースにしたヘッジファンドの数は30から130に増加している。

 一方、伝統的なヘッジファンドも仮想通貨の買い占めを進めている。アメリカ人投資家のビル・ミラー氏の運営するヘッジファンドは、17年12月の時点で資金の半分を仮想通貨で保有し、注目を集めた。