仮想通貨業界は昨年、現物の仮想通貨上場投資信託(ETF)承認と、共和党のドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利という「2つの大きな勝利」を収めたが、2025年には「多くの小さな勝利」が見込まれるとグレースケールの幹部は語る。
グレースケールのリサーチ部門マネージングディレクターであるザック・パンドル氏は最近のウェビナーで、「今年は業界にとって数十の小さな勝利が期待できる」と語った。その例として、さらなる機関投資家の採用、米議会による包括的な法案可決、ビットコイン(BTC)が米国の準備資産になる可能性を挙げた。
また、デジタル資産カウンシルの創設者であるリック・エデルマン氏との1月15日のインタビューで、2030年までにビットコインが50万ドルに達するという考えは「まったくおかしいことではない」とも述べた。
パンドル氏によると、年金基金や寄付基金からの採用が進む可能性がある。同氏は、これまで10年間にわたり仮想通貨業界を無視してきた多くのファンドマネージャーが、これ以上無視することはできないと認識し始めていると説明した。
「過去10年間は無視したり、却下したり、後回しにするのが簡単だったが、彼らはもはやそうすることはできないと認識している」
すでに多くの年金基金や寄付基金が、ポートフォリオに仮想通貨を組み入れるプロセスを開始しており、その一部の承認は6~12か月以内に行われる可能性があるという。
さらに、一部のポートフォリオマネージャーは、仮想通貨に最大5%を割り当てているものの、まだ「試験的に導入している段階」にあるとパンドル氏は説明した。
また、海外の政府系ファンドが今後数か月間で仮想通貨へのエクスポージャーを拡大することも予想されるという。
パンドル氏は、機関投資家によるイーサリアム採用の可能性についても言及し、イーサリアムを「史上最も重要なオープンソースソフトウェアプロジェクトの1つだ」と述べた。
さらに、分散型金融(DeFi)、現実世界資産(RWA)、人工知能(AI)関連トークンも、プライベートファンドサイドで機関投資家の注目を集める可能性があると語った。
パンドル氏の楽観論は、トランプ氏の就任式を5日後に控えた中での発言だ。新たに就任する大統領は、これまでで最も仮想通貨に友好的な政権となることが期待されている。