ホワイトハウスの経済アドバイザーで、仮想通貨に理解を示すケビン・ハセット氏が、ジェローム・パウエル氏の後任として米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長の最有力候補として浮上しているという。

トランプ大統領の側近や支持者らは、金利引き下げを望むトランプ氏の意向に共感してきたハセット氏を「筆頭候補」と見なしていると、ブルームバーグが関係者の話として報じた。

ハセット氏は現在、国家経済会議(NEC)議長を務めており、今年1月にトランプ氏が設置したホワイトハウスのデジタル資産ワーキンググループを統括している。このグループは7月、仮想通貨に関する政策上の考慮点を示した報告書を公表した

パウエル氏の任期は来年5月で終了するが、FRB理事としての任期は2028年1月まで続く。

ハセット氏は、トランプ氏が求める「市場を刺激するための利下げ」に賛同してきた複数の候補者の1人である。

FOXニュースで「FRB議長の職を受けるか」と尋ねられたハセット氏は、「もちろんイエスと言う。なぜなら私は自分の国と大統領に仕えたいからだ」と答えた。「トランプ大統領と私はこの件についてたくさん話し合った」とも付け加えた。

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ケビン・ハセット氏 Source: Fox News

コインベース株を100万ドル以上保有

6月の報道によれば、ハセット氏は少なくとも100万ドル分のコインベース(COIN)株を所有していると開示した。

さらに同氏は、2023年にコインベースが設立した「学術・規制アドバイザリー評議会」での活動に対して、5万ドルの報酬を受け取ったと開示している。この評議会には、マンハッタン連邦検事で元SEC委員長として知られるジェイ・クレイトン氏も参加していた。

ハセット氏は過去には、仮想通貨ファンド運用会社ワン・リバー・デジタル・アセット・マネジメントのアドバイザリーボードにも参加しており、2017〜2019年にはトランプ氏の第1期政権でホワイトハウス経済諮問委員会(CEA)の委員長を務めた。

FRB議長候補リストは「仮想通貨寄り」が多数

8月の報道によれば、トランプ氏はFRB理事のクリス・ウォーラー氏も候補として審査している。ウォーラー氏は8月、銀行関係者に対し分散型金融(DeFi)の利点を訴えた人物だ。

さらに、FRB監督担当副議長のミシェル・ボウマン氏も候補として名前が挙がっている。同氏は、FRBスタッフが「基盤技術を理解するために少額の仮想通貨へ投資できるべきだ」と発言したことがある。

誰が選ばれるにせよ、トランプ氏は利下げを強く求めることになりそうだ。FRBは今年すでに2回、合計50ベーシスポイントの利下げを実施している。

市場は12月のFOMCでの追加利下げに強気の見方を示しており、CMEのFedWatchは25bp利下げの確率を約85%としている。

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