米下院で仮想通貨に親和的な立場をとる共和党のトム・エマー議員が、下院議長選挙に立候補する意向を表明した。62歳のエマー氏は、複数の議員から支持を得ている。

現職の下院議長代行のパトリック・マクヘンリー議員は、10月17日の第1回投票で過半数を獲得できず、暫定議長にとどまっている。共和党の下院議長候補だったジム・ジョーダン議員は、議長選に落選した。

エマー氏の立候補は、NBCニュースのジェイク・シャーマン記者が10月20日にX(旧ツイッター)で報じた。シャーマン記者によると、エマー氏は下院共和党議員団に対し、議長選挙に立候補する意向を伝えたという。

CBSニュースも、エマー氏に近い関係者の話として、同氏が議長選挙に立候補すべく動き出していると報じた

マクヘンリー議長代行は、暫定議長として下院に法案を提出する権限を持っていない。そのため、仮想通貨関連法案を含むさまざまな法案の審議が停滞しており、新たな議長の選出が重要となっている。

エマー氏が議長に就任した場合、仮想通貨業界から歓迎される可能性が高い。同氏はこれまで、デジタル資産を支持する発言を繰り返しており、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー氏による規制強化に反対してきた経緯がある。

エマー氏はすでに、複数の議員から支持を受けている。

10月20日、下院議員のブラッド・フィンスタッド氏は、エマー氏の下院議長選挙への立候補を支持する声明を発表した。

フィンスタッド氏は「下院議員になって以来、トムと共に働くことは名誉であり、彼をメンターであり友人として心から尊敬するようになった」と述べた上で、次のように続けた。

「アメリカ国民は機能する議会を必要としている。下院議員の同僚たちが団結して、この選挙を完了し、下院を再建し、国民のために働き始めることを願っている」

また、10月4日に下院議長を解任された共和党のケビン・マッカーシー議員も、エマー氏を支持する意向を示している。

マッカーシー氏は「エマー氏は適任者だ。彼は会派をまとめることができる。会派のダイナミクスを理解している。勝利して多数派を維持するために必要なことも理解している」と述べた。