世界銀行は、新型コロナウィルスによる経済危機で世界の送金が約20%急減するとの予測を示している。仮想通貨・ブロックチェーン企業の中には送金セクターに焦点を当てた企業も多く、業界にとってはネガティブな影響を及ぼす可能性がある。

低中所得国への送金が減少

4月22日に世銀が発表したレポートによれば、賃金引き下げや移民労働者の雇用削減を受け、低中所得国(LMIC)向けの送金が19.7%減少すると予測している。19年の総金額は過去最高の5540億ドルだったが、20年は4450億ドルになると予想している。

世銀のデービッド・マルパス氏は「送金は発展途上国にとって重要な収入源だ」と指摘し、送金は「家族が食糧やヘルスケア、基本的ニーズを提供するものだ」と述べている。

「COVID-19によって引き起こされている現在進行形の景気後退は、家庭にお金を送る能力に深刻な犠牲を強いている。先進国経済を早急に立て直すことがますます重要になっている」

レポートでは、LMICへの送金が外国直接投資(FDI)よりも大きくなっており、世銀は送金が「開発途上国へのリソースフローを監視する上で重要なマイルストーン」になっていると指摘している。

仮想通貨・ブロックチェーン業界へも影響か

仮想通貨・ブロックチェーン業界は、送金のコストを引き下げるため、送金業界の中で積極的にイノベーションを起こそうとしている。

世銀の予測が現実となれば、クロスボーダー決済に焦点を当てる仮想通貨・ブロックチェーン企業にも悪影響を及ぼす懸念があるだろう。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン