仮想通貨市場の広範なセンチメントを測るツールである「仮想通貨恐怖&強欲指数」が、今年3月11日にサークルが発行する米ドルペッグのUSDCが一時的にそのペッグを失った時以来の「恐怖」のレベルに落ち込んだ。

市場のセンチメントのつまづきは、米証券取引委員会(SEC)がバイナンス、バイナンスUS、およびバイナンスCEOのジャオ・チャンポン氏に対して訴訟を起こしたことを受けてのことだ。SECは、証券取引所として登録せずに米国で違法に営業していたとして、取引所とその関連会社に対して合計13件の訴訟を起こした。

The Bitcoin Fear and Greed Index. Source: Alternative.me.

この指数は、市場のセンチメントを測るためにさまざまな指標を集計している。価格の変動性、モメンタム、取引高のほか、ソーシャルメディアやグーグルトレンドのデータを組み合わせて、ビットコインや広範な仮想通貨市場に対する投資家の市場心理を総合的に把握する。

悪いセンチメントの大部分は、SECがバイナンスに対して訴訟を起こしたことを受けて、仮想通貨価格が急落したことによるものだ。ビットコインやイーサリアム(ETH)などの主要な仮想通貨は、過去24時間でそれぞれ4.1%、3.1%下落している。大型のアルトコインも打撃を受けた。執筆時点で、カルダノ(ADA)は過去24時間で6.4%下落し、ソラナ(SOL)は7.4%下落している。

仮想通貨デリバティブ市場でオープンポジションを持つトレーダーも影響を受けた。訴訟発表以降、2億8000万ドル相当の清算が発生している。

Total liquidations in the past 12 hours. Source: Coinglass.

当然のことながら、「ロング」ポジションを持つトレーダーが最も打撃を受け、総清算額のうち2億6175万ドル(92%)を占めた。一方、ショートトレーダーは2070万ドル(約23億円)の清算を経験した。これらの損失の約43%は、ビットコインとイーサによるものだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン