コインマーケットキャップ(CMC)のランキング16位に位置する仮想通貨取引所コインベネ(CoinBene)は26日、ハッキング被害が疑われる中、メンテナンスの継続を発表した。一部の内部関係者は、最大4000万ドル(約44億円)の盗難の可能性がある大規模なハッキング被害を隠蔽するものと示唆したという。

クリプト・ジェームズと名乗るユーザーが、事前のメンテナンス発表がない状態にもかかわらず、コインベネ上で仮想通貨が1時間入金を保留されているとし、コインベネがハッキング被害を受けていると主張。コインベネのツイッター公式アカウント(@CoinBene)が、クリプト・ジェームズに対して、次のように返信した

「コインベネは、ユーザーエクスペリエンス向上のため、2019年3月26日にウォレットをアップグレードしました。メンテナンス中、入出金などの関連業務への影響はありますが、取引には影響しません。」

またコインベネは、別ツイートにおいて、メインテナンス完了時期は別途発表するとコメント。コインベネは、すべての入出金はメンテナンス終了後に自動的に完了するとした。

しかし一部の内部関係者は、メンテナンスの発表は、最大4000万ドル(約44億円)の盗難の可能性がある大規模なハッキング被害を隠蔽するものと示唆したという。ブロックチェーン関連のスタートアップ企業ディビィプロジェクトCIOのニック・サポナロ氏は、仮想通貨イーサリアム(ETH)の統計情報サイト「イーサスキャン(Etherscan)」に掲載されている、コインベネからの大量の発信トランザクションが攻撃の証拠として役立つかもしれないとツイートした。

仮想通貨イーサリアム(ETH)の統計情報サイト「イーサスキャン(Etherscan)」では、コインベネから約4000万ドル(約44億円)に相当するトランザクションが発生していることがわかる 出典: イーサスキャン(Etherscan)

また、このつぶやきに対するコメントとして、仮想通貨は「コールドウォレット」として移動されたようだという指摘があった

ロシアの仮想通貨メディア「フォークログ」のニック・シュテリンガード氏は、コインベネの「奇妙な活動」についてツイートし、自分のウォレットが2つのアドレスを使ってハッキングされたというユーザーを例に挙げた。

さらに同氏は、これまで知られていなかった仮想通貨マックスマインコイン(MXM)の大部分がコインベネのトランザクションに関与している点を指摘した。MXMは、今月700%以上の増加を見せているという。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Crypto Exchange Coinbene Announces Ongoing Maintenance While Customers Suspect Hack