仮想通貨批判派のヌリエル・ルビーニ氏は、ブロックチェーンを「エクセルのスプレッドシートのようなものだ」と主張した。仮想通貨取引所LaTokenが25日にスイスのダボスで開催したイベントの中で発言した。
ダボスで開催された「ブロックチェーン・エコノミック・フォーラム」で、ルビーニ氏はブロックチェーンのことを「これまでに最も誇大宣伝された技術だ」と主張し、ビットコインや仮想通貨はバブル以外の何物でもないと発言した。さらに仮想通貨・ブロックチェーンは、フィンテックやプライベートな分散型台帳技術(DLT)とは関係ないものだとも指摘した。
ルビーニ氏によれば、プライベートなDLTは、トラストレスでも分散型でもなく、手の込んだデータベースに過ぎないという。またDLTと同様、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)も、ブロックチェーンや仮想通貨とは別物だと指摘。CBDCは、従来は銀行だけにアクセスを許可していた中央銀行の台帳を、すべての個人に開放するものだと、ルビーニ氏は語る。
さらにルビーニ氏は、CBDCが仮想通貨を席捲し、銀行システムを根本的に変えるものになるだろうと語る。フィンテックが金融を変え、現金の存在を消してしまうとまで予測するが、ブロックチェーン・仮想通貨はこの変化に無関係だと話す。
ルビーニ氏はまた、「すべてをトークン化する」と呼ぶものを厳しく批判する。すべてのモノをトークン化することは、物々交換の世界に逆戻りすることと同等だと説明した。ルビーニ氏は、有名なアニメ『フリントストーン』(原始時代の話だ)を例に出し、主人公が貝殻の通貨を持っていることを指摘し、トークン化はそれよりも悪いと語った。
さらにルビーニ氏は、プライバシーの問題について触れ、政府や規制当局がモネロのような匿名仮想通貨の使用を禁止するだろうとも予測する。既に日本では、モネロやZキャッシュといった匿名性の高いアルトコインは実質的に禁止されている状態だ。仮想通貨交換業の自主規制団体は、自主規制で移動記録の追跡が困難な「匿名仮想通貨」を原則禁止している。
DLT(分散型台帳技術)とは、Decentralized Ledger Technologyの略。ネットワーク上で取引記録が記された台帳を多数のユーザーによって分散管理する技術。ブロックチェーンはその代表格である。既存の金融システムにおいて顧客の預金残高を記録し管理するプロセスは、銀行のもつ中央サーバーにより管理運営されている。この場合、顧客は銀行側が、個人の記録を改ざんせず、あらゆる危険性からデータを守ってくれることを想定し、それらシステムを利用する。しかし、現実には顧客データが流出したり、システムダウンによる一時利用停止、表向きとは異なる資金運用がなされていたりと中央管理型の金融システムの不透明性やリスク管理などには限界がある。DLTは、台帳記録を複数のユーザーがネットワークを通じて共有しているので、不正や改ざんを見つけることが容易であり、かつシステムダウンや局所的な災害に対してのリスク分散可能である。DLTは、ブロックチェーンによる仮想通貨の発行管理を実現させ、さらなる分野への活用が期待される。
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— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日
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