13日、市場での仮想通貨の激しい売りは、プロジェクトや関連企業に大きな波紋を投げかけた。人気の分散型金融(DeFi)レンディングプロトコルAave(AAVE)では、ほぼすべてのステーブルコインの借り入れで利用率が低下した。最も顕著なのは、バイナンスUSD(BUSD)の借入金で、5月の最高値80%に対し、現在はわずか30%にとどまっている。

利用率とは、借り入れと預け入れの比率。Aaveで融資を受けるにはデジタル資産の担保を差し入れる必要があるため、13日の売りを受けてユーザーは清算を防ぐために大量に引き出しているようだ。DeFi Llamaのデータによると、Aaveのトータル・バリュー・ロックド(TVL)は昨年10月の335億1000万ドルから81億1000万ドルに減少している。

CryptoRank Platformによると、DeFiプロトコル全体のTVLは4月末から55%減少しており、キャピタルフライトとデジタル資産の価値の減少が一因となっている。現在、1157億ドル相当の資金が残っており、そのうち720億ドルはイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上にある。これは、2021年11月に記録したピーク時のTVLである3039億ドルの数分の一まで下落した。

週末、仮想通貨取引所Crypto.comは、厳しい市場環境を理由に、法人従業員の5%にあたる260人を解雇すると発表した。ちょうど先月、同社は、デビットカードの仮想通貨リワードを大幅に削減することを表明している。

14日、仮想通貨レンディング大手のブロックファイは、850人いるスタッフの20%を解雇することを発表した。同社はこの決定にあたり、長期的な収益目標を達成する必要性を挙げている。同様に、仮想通貨取引所コインベースは、雇用凍結の延長を決定し、数百人の新規採用者の内定を取り消した。ブライアン・アームストロングCEOは、取引所を取り巻く破産保護の懸念の中で、「資金は安全だ」と発言している。