北朝鮮の最高指導者・金正恩氏の健康状態悪化・死亡の噂に続き、これを理由に同国が保有中の仮想通貨ビットコイン(BTC)を売却するというツイートを基にした報道が出回り始めている。

国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルによると、北朝鮮は、仮想通貨・ブロックチェーン技術を使って痕跡を消し、サイバー攻撃などによって約6億7000万ドル(約718億7000万円)の外貨と仮想通貨を蓄積しているという。日経アジアンレビューが3月8日に報じた。日本経済新聞の4月18日付け記事によると、国連は、サイバー攻撃など仮想通貨関連の不正な入手活動の情報も盛り込んだ年次報告書を近く公表するようだ。

また米CNNの4月21日付け報道などで金氏の健康状態悪化・死亡が示唆されたことで、同国が保有する仮想通貨が売却され、その価格が下落する可能性を懸念する人々がいるという。一方4月27日には、衛星情報などから金氏の健在を確認したという報道もなされている。

ジョークが噂として広まった?

仮想通貨関連ニュースサイト「コインデスク」の記者ザック・ヴォエル(Zack Voell)氏は4月25日、「金正恩氏が、米国拠点の仮想通貨取引所コインベースにBTCを移した」とうジョークをツイートし、1000以上の「イイネ」を獲得した。

(出典: ザック・ヴォエル氏のツイッターアカウント金正恩氏に関するビットコイン転送ジョーク)

しかし後日、ヴォエル氏はこのツイートを削除し、次のように説明した

「一部仮想通貨メディアがいまだに真剣に報じ、人々がトランザクションIDを尋ねてくるのをやめさせるため、私は「ホエールアラート」を削除した。

仮想通貨ニュース業界は、信じられないほど愚かだ」

ヴォエル氏のツイートにあるように、複数の仮想通貨ニュース媒体が、金氏の健康状態悪化がどのようにBTC価格に影響するか報じ、一部媒体は削除されたツイートをいまだ真剣に受け止めている。この後に、ヴォエル氏はさらにツイートした

「こんなことを言うなんて自分でも信じられないが、金氏が実際に死んだ場合、北朝鮮がすべてのBTC(またはモネロ)を市場に売り払うことはないだろう」


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン