2022年の北京オリンピックのために中国に到着した選手やサポートスタッフは、多くの会場で支払いにデジタル人民元を使用するオプションがあるものの、デジタル人民元の国際的な試験導入は、パンデミックのためにハードルに直面していると報道されている。
CNNの1月31日の報道によると、同国のオリンピック大会の選手、関係者、ジャーナリストは、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐために「バブル方式」によって中国の人々から隔離されているという。これらの予防措置と、中国政府が直接観戦する人数を制限したことが相まって、デジタル人民元を支払い方法として試す人がはるかに少なくなる可能性がある。
「オリンピックは、観光客や中国人にとってデジタル人民元に慣れる最初のチャンスだったはずだが、中国政府がオリンピックの観客の数を厳しく制限することを決めたため、その扉は閉ざされた」と、民主主義防衛財団のシニアフェロー、クレイグ・シングルトン氏は述べた。「この決定だけで、他の何よりも、デジタル通貨の大量導入がさらに遅れることになりそうだ」
報道では、およそ11,000人がバブル方式によって中国の人々とは隔離され、バブルの外にいる外国人や中国人観光客は一切ゲームに参加できないことになると報じられている。こうした措置にもかかわらず、ロイター通信は31日に、当局が過去4日間に「選手や関係者の間で」119件の陽性反応を検出したと報じた。
Olympic snowboarding medalist tests positive for COVID after arriving in China https://t.co/SuhNIsJAGJ pic.twitter.com/gE4KV6MEDC
— NBC OlympicTalk (@NBCOlympicTalk) January 28, 2022
今年の五輪競技には91カ国からおよそ3000人の選手が参加する予定だが、一人でも陽性反応が出れば、その人が接触した多くの人の競技が終了する可能性がある。昨年開催された2020年夏季オリンピックの際、東京は同様の参加制限のもとで運営されたが、それでも選手、スタッフ、ボランティアの間で多くの陽性反応を記録した。
たとえパンデミックによる制限外で運営されていたとしても、米国の議員たちはオリンピック当局に対し、競技中に選手がデジタル人民元を使用することを禁止するよう求めている。7月には、マーシャ・ブラックバーン、ロジャー・ウィッカー、シンシア・ルミスの3上院議員が米国オリンピック・パラリンピック委員会に書簡を送り、中国共産党がCBDCを利用して中国滞在中と帰国後のアスリートを監視する可能性があると訴えた。同委員会は、「悪意のあるソフトウェア」に感染している可能性があるため、中国滞在中はスマートフォンを家に置いて、「バーナーフォン(使い捨て携帯)」のみを使用するよう選手に提案したと伝えられている。