イーサリアム開発企業コンセンシス(ConsenSys)は、ビットコインのトークン化の進展とイールドファーミングの出現により、過去3ヶ月間で分散型金融(DeFi)セクターの成長が促進されたと述べている。
イーサリアムベースのDeFiに関する第2四半期レポートの中で、トークン化されたBTCの総数が、ビットコインのレイヤー2スケーリングソリューションであるライトニングネットワークのBTCの合計を上回ったことの重要性を強調している。
ラップドビットコイン(WBTC)は、イーサリアム上のトークン化されたBTCの3分の2以上を占めているが、レポートでは、ビットコインのトークン化プロトコルが足元で急増していると指摘している。イーサリム上の11,000を超えるトークン化されたBTCのうち約3,000が、renBTC、sBTC、imBTC、およびhBTCを通じてトークン化された。
「クロスチェーンの相互運用性はアンチマキシマリストだが、ブロックチェーンの未来である可能性が高い」と、レポートでは断言している。
イールドファーミングとDeFiの採用
またレポートでは「イールドファーミング」の人気が高まっていることにも言及している。イールドファーミングとは、複数のDeFiプロトコル間で仮想通貨をシステマティックに貸し借りすることで収益を得ようとすることだ。
6月にDeFiのコンパウンド(Compound)がガバナンストークンを発表したことで、イールドファーミングへの関心が高まる大きなきっかけとなり、DeFiユーザーやDeFiプロトコルでロックされたイーサ(ETH)の額が急増することになった。
ただし、コンセンシスのデータは、イールドファーミングの人気がDeFiセクターの外から多くの新規ユーザーを引き付けることには失敗しており、2000人程度の「スーパーユーザー」がこの活動の中で大きなシェアを示していると指摘している。
DeFiに対するハッキング攻撃
レポートの中では、DeFiプラットフォームのユニスワップ(Uniswap)、Lendf.me、バランサー(Balancer)を標的としたセキュリティインシデントについても触れている。
4月18日、ユニスワップのプラットフォームがハッカーからの攻撃を受けた。imBTC(分散型取引所TokenlonがERC-777ベースにトークン化したBTC)の脆弱性を標的にしたもので、34万ドルがユニスワップから流出した。
翌日には、同様の攻撃がLendf.meにも行われ、2500万ドルが流出した。しかし、ハッカーが誤ってIPアドレスを漏らしたため、プラットフォームとハッカーとの間で交渉が行われた結果、流出した資金は返還されている。
6月28日、ERC-20の「デフレーショントークン」であるStatera(STA)のスマートコントラクトを悪用した攻撃が行われ、バランサーで約45万ドルの損害が発生している。
コンセンシスはこれらの攻撃について触れ、「セキュリティインシデントは新興技術では避けられないものだ」と指摘し、「DeFiコミュニティではそれらを回避するための戦略を開発し続けている」と記している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン