節税対策として国外に巨額の資産を保管する中国人投資家に対して、中国政府がさらなる規制強化を進めている。CCNが伝えた。
巨万の富をもつ中国人投資家はこれまで、スイスのオフショア銀行、香港の不動産市場、外国株式市場などを駆使して数億円規模の資産を中国国外に保管してきた。しかし政府は2018年初頭よりこれらの投資家に対する規制を強化しており、中国国内では仮想通貨などの代替資産にポートフォリオを移行する投資家も増える見込みだ。
中国政府はここ数か月で、経済協力開発機構(OECD)の共通報告基準(CRS)を採用する83ヶ国との提携を開始した。これにより中国は投資家のタックスヘイブンとして名高いヴァージン諸島、バミューダ、ルクセンブルク、スイス、バハマの5か国と直接交渉および提携権を獲得し、今後の規制強化において投資家に先回りする形となる。
現状、中国の投資家に残された既存の道は香港の不動産市場だ。中国在住の個人は香港で簡単に会社登記を行うことができるため、ペーパーカンパニーを設立して会社名義で銀行口座を開設すれば中国から香港に資金を移動できる。中国政府がこのプロセスを取り締まるのは比較的困難なため勝算は大きいが、それでも規制がかかる可能性はある。
そこで、新たなタックスヘイブンとしてビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨に注目が集まっている。仮想通貨と既存金融市場の相関関係が薄いことから、安全に資産を保有できる新しい手段として今後移行が進むと予想される。
(コインテレグラフ@マーケットアラート)