仮想通貨データ提供を手がけるコインゲッコー(CoinGecko)が、新たな取引所の取引高ランキングを発表した。主要データサイトで示されている取引所の取引高の95%がフェイク(偽)というレポートが出る中、コインゲッコーは取引高偽装の是正を目指す。

仮想通貨取引所ランキング2019年5月 - CoinGecko

(出典:CoinGecko「取引所の取引高ランキング トップ5」)

コインゲッコーは、各取引所から申告される取引高の代わりに、SimilarWebを用いたトラフィック分析とオーダーブック分析の組み合わせに基づく「正常化取引高」と「信頼スコア」(Trust Score)をベースにランキングを作成。「より正確な流動性の概観」の提供を目指す。

今年3月、米仮想通貨資産マネジメントが有名情報サイト「コインマーケットキャップ(CMS)」における取引所の取引高の約95%が虚偽と指摘。波紋を呼んだ。実際、コインマーケットキャップとコインゲッコーの取引高ランキングに登場する取引所は全く異なっている。

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仮想通貨取引所ランキング2019年5月 - coinmarketcap

(出典:CoinMarketCap「取引所の取引高ランキング(調整済み)トップ5」)

仮想通貨取引所ランキング2019年5月 - 取引高ランキング

(出典:CoinMarketCap「取引所の取引高ランキング(報告ベース)トップ5」)

コインゲッコー共同創業者のボビー・オング氏は、「取引所の申告取引高は、悪質な取引所により現在最も悪用されている指標の一つ」と指摘。次のように続けた。

「CoinGeckoの『信頼スコア』の導入により、取引高の偽装行為に歯止めをかけ、取引所の実際の流動性を測ることが出来るようになることを期待している」

またオング氏は、今後の「信頼スコア」について、トレード履歴分析、ホット/コールドウォレット分析、サイバーセキュリティ分析、ソーシャルメディアデータ、ユーザーレビュー、APIクオリティ査定などを段階的に導入することで改善を図る計画も明らかにした。

コインゲッコーは、2014年から仮想通貨の価格、取引高、その他の重要な指標やデータをグローバルな市場参加者に提供する、世界トップレベルのデータプロバイダー。正確な情報の提供を通し、仮想通貨市場参加者の理解の向上を目指している。