マネックスグループは27日、2021年3月期の決算を発表した。傘下の仮想通貨取引所コインチェックは、仮想通貨市場の活況で営業収益とセグメント利益が大幅増となった。セグメント利益は、前期比20倍の98億6800万円となった。

出典:マネックスグループ 決算説明資料

仮想通貨(クリプトアセット)事業の営業収益(売上高)は、前期比5.5倍の208億2200万円となった。「市場活況と口座数の増加に伴い、Coincheckの販売所取引量が大きく増加」した。マネックスによれば、アルトコイン取引が活況だったという。

特に仮想通貨市場の盛り上がりに伴い、21年1~3月期の伸びは驚異的だった。「販売所売買代金は前四半期比3倍となり、大幅増収」となっている。

出典:マネックスグループ 決算説明資料

アプリダウンロード数は372万となっており、これは前期末比で30%増だ。本人確認済口座数は29%増の120万となっている。「市場活況時のテレビCM効果で、認知度向上し、口座数が大幅に増加」したと、マネックスでは分析している。

さよならアーンアウト条項

またコインチェックの「アーンアウト条項が終了し、2021年4月からは利益がフルに寄与」としている。

これは2018年春にマネックスがコインチェックを買収する際、コインチェックのもとの株主に対して利益の一部を支払うという条項だ(「今後3事業年度の当期純利益の合計額の二分の一を上限」として支払うとしていた)。

ちなみに2021年1~3月期については、「暗号資産の取引活況により、 セグメント利益は前四半期比約3倍の66億円」だが、「アーンアウト条項に係る費用36億円計上前の営業利益相当額は102億円」だったちおう。つまり四半期利益の3分の1がアーンアウトの費用となっていた。

このような費用面での足かせが4月からなうなることで、仮想通貨市場の活況と合わせ、コインチェックの収益性向上につながりそうだ。