コインチェックがハッキング被害の全ユーザーに補償へ 日本の仮想通貨コミュニティには結束感

 日本の仮想通貨取引所大手コインチェックが日本時間で27日夜、前日同取引所で発生したネムの不正送金の被害者となった26万人のユーザー全員へ日本円での補償を行うと発表した

 コインチェックは26日、ハッカーによるセキュリティ侵害を受け、当時のレートで約580億円分のネム(5.23億XEM)を失っていた。同日深夜に開かれた記者会見では、盗まれたネムが単一署名でアクセス可能なホットウォレット上で保管されていたことが明るみになり、同通貨が相対的に低セキュリティ環境にあったことが判明した。

 同社は今回、自己資金を使って影響を受けたユーザーに対し補償することを表明した。具体的な補償時期や方法については検討中だという。

 保証金額は1XEMにつき88.549円。XEMの取扱高が世界で一番多いとされるZaifのレートを参照し、コインチェックでXEMの売買が停止された時点から補償方針発表時までの加重平均値をとった。

 さらに、コインチェックは「金融庁への仮想通貨交換業者の登録申請の継続的な取り組みも併せて、今後も事業を継続」するとした。

日本の仮想通貨コミュニティは好意的に反応

 今回のXEM盗難は、同じく日本で起こったマウントゴックス破綻以来、仮想通貨の歴史の中でも最大のハッキング事件だ。

 だが日本の仮想通貨界は過去にマウントゴックスを経験するなど歴戦のコミュニティであり、今回の事件においてもあまり揺らがなかった。

 市場はコインチェックによる補償方針の発表を受け急上昇。ハッキング事件発覚から24時間も経たないうちに相場は回復した。

 XEMも発表を好感し、一時30%上昇した。

NEM

 さらに、日本の仮想通貨界のオピニオンリーダーたちの間ではコインチェックをサポートする声が多く聞かれた。これらユーザーはコインチェックによるセキュリティ対策不足を認めながらも、ユーザー資金補償の円滑化や日本における仮想通貨業界の発展の見地から、今回の事件を公正に検証する必要を説いている。

 また、ネム財団の開発チームは盗まれた資金を追跡するための自動化システムを開発していると発表。「ハッカーの手垢がついた」資金を受け取るアドレスにタグが付けられる仕組みで、これによりネムを扱う各仮想通貨取引所がハッカーのアカウントをブラックリストに載せ、現金化したり他の仮想通貨へ交換することを防ぐという。