米仮想通貨取引所のコインベースは、セグウィット実装にあたり不具合が発生し、一部の利用者から決済したビットコインが転送されていないと指摘された問題に対して、不具合を修正して返金したと明らかにした。

 ビットコインの取引データを圧縮し、取引手数料を下げるセグウィットを、コインベースは2週間前に実装した。

 コインベース利用者の一人は12日、掲示板レディットで、コインベースの決済ゲートウェイに問題があり、小売業者へ送ったはずのビットコインが届かずに紛失したと投稿した。セグウィットを導入する時、小売業者と顧客間の通信を受け持つビットコイン決済プロトコル(BIP70)のアップデートをし損ねたのが原因との見方を示していた。

 コインベースはコインテレグラフに対し、不具合の詳細を説明した。BIP70はアップデートしたが、支払先のアドレスがセグウィット未対応だったため問題が発生した。この問題で影響を受けた顧客数は30人未満で、数時間以内に問題を修正し、全員に返金済みと話した。

 BIP70プロトコルは、13年7月にビットコイン開発者のギャビン・アンドレセンとマイク・ハーンが提案した。ビットコインの決済サービスを改善し、取引の安全性を高め、中間者攻撃を回避することが目的だ。

 システムのアップデートでは、ほかにも問題が起きている。決済サービスの米ビットペイは昨年12月14日、支払い不足や支払い超過などの問題を解決するため、ビットコイン決済プロトコル対応のウォレットが必要になると発表した。今年1月10日には、結果として一部の利用者はビットペイのサポートページに掲載されたBIP70準拠のウォレットに移行しなければならなくなり、迷惑をかけたことを認めた。