コインベースの株価が顕著な上昇を示している。コインベース株は今年に入り60%の上昇を記録し、上場時の価格にまで戻り、記事執筆時点で252ドルを超えて取引されている。

コインベース株は仮想通貨の冬の時期に大きく下落し、2023年には33ドルまで落ち込んだが、3月8日に2年ぶりに250ドルを超えた。過去1年間でコインベースの株は300%以上の上昇となっている。

この動きを後押ししているのはビットコイン(BTC)の価格パフォーマンスだ。BTCは3月8日には一時7万ドルに達し、その後約6万8000ドルにまで反落した。ビットコイン上場投資信託(ETF)からの流入増加と、BTCの半減期をめぐる期待が仮想通貨市場の上昇を牽引している。例えば、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)は、立ち上げからわずか7週間で運用資産(AUM)が100億ドルに達した。

コインベースはビットコインETFの収益の一部を得ている。コインベースのカストディ部門であるコインベース・カストディは、ほとんどのビットコインETFを手掛ける資産運用会社と提携している。ビットコインETF向けのカストディ業務で、コインベースは2500万ドルから3000万ドルの手数料を得ていると見込まれている。

コインベースの直近の決算発表では、2023年第4四半期が堅調だった。コインベースの純収益は2023年第4四半期に9億500万ドルに達し、第3四半期から45.2%増加した。

JPモルガンのアナリスト、ケネス・ワージントン氏は最近、コインベース株の格付けを「アンダーウェイト」から「ニュートラル」に改めた。ビットコインETFが仮想通貨市場に与える好影響を指摘し、株価目標を80ドルに設定したが、これは現在の取引価格を大幅に下回っている。

「ビットコインETFへの流入の加速とビットコインおよび今やイーサリアムの価格の大幅な上昇を考慮し、仮想通貨価格の上昇がコインベースの収益力を持続させ、向上させると見て、ニュートラル評価に戻す」とJPモルガンは2月15日にのべた。

Coinbase stock performance year-to-date as of March 8, 2024. Source: Google Finance.