米国最大の仮想通貨取引所コインベースが米国で上場するために準備を進めている。ロイター通信が9日に関係者の話として報じた。
報道によると、コインベース上場には米国証券取引委員会(SEC)による承認が必要だという。もし上場すれば、仮想通貨取引所としては初めての伝統的な市場での上場になる。
コインベースは今年後半か来年初頭での上場を目指しているという。
中国のマイニング大手カナンなどマイニング企業は米国株式市場で既に上場している。
コインベースの企業価値は、最近の資金調達ラウンドでは80億ドル(約8500億円)と算定されていた。
コインベースのIPO(新規株式公開)について観測が出たのは今回が初めてではない。
2018年10月にはコインベースが近々IPOを計画しており企業価値の評価額は73~80億ドル(8038~8935億円)だと報じられた。当時コインベースに約11億円を出資したアダム・ドレイパー氏は、コインベースは地球で一番大きな会社になると本当に信じていると発言していた。
今回の動きと関連したものかどうかはわからないが、コインベースは7月9日、元フェイスブックでバイスプレジデント兼次席法律顧問を務めていたポール・グルワール氏を最高法務責任者として迎えている。
コインベースは、グルワール氏の参画が「仮想通貨の認識と採用を次の段階への道を開く」のにつながると述べている。グルワール氏は、コインベースでの金融規制当局との渉外や法務チームの運営を担い、新しい製品・サービス開発を支援していくことになる。
ブロックチェーン企業とIPO
著名ベンチャーキャピタリストであるティム・ドレイパー(アダム氏の父親)は最近、仮想通貨・ブロックチェーン企業の資金調達について、IPOが必ずしも最良の資金調達手段ではないと主張している。
7月6日に開催されたカンファレンス「Unitize」にドレイパー氏は出席し、ドレイパー氏は既存の規制によってブロックチェーン企業が上場することを困難にしていると強調した。「今、上場しようとするなら、私はお勧めしない。あなたの会社が少なくとも100億ドル相当の価値がない限り」と述べている。
ドレイパー氏は、ブロックチェーン起業家にとっては、大規模なファンドから投資を求めることや、小規模な投資の場合にはトークン化などの別の形態の資金調達手法を使う方が理にかなっていると続けた。
「規制のため、上場するためには非常に費用がかかることになり、それだけの価値はないだろう。…大規模なファンドからの投資を集める方が、上場しようとするよりも簡単にあなたが資金調達する方法だろう」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン