仮想通貨取引所コインベースの新しい広告キャンペーンでは、米ドルを「よく設計されたブロックチェーン」に移行することで、米国内の「不便な」ペニー硬貨(1セント硬貨)が再び役立つ可能性があると主張している。
このキャンペーンは、2月12日の「全国失われたペニーの日(National Lost Penny Day)」に合わせて行われた。この日は、ペニー硬貨の創設を祝い、アメリカ人に家の中で失われたペニーを探すよう奨励する毎年恒例の行事で、1995年に始まった。
しかし、コインベースはこの機会を利用して、ステーブルコインが「資金の流れを前進させる」手助けをし、人々や中小企業を古い法定通貨システムのコストから救うことができると主張している。
2月12日のX投稿で、コインベースは年間120万ドル相当のペニーが失われ、ペニー1枚の価値を製造するのに約3倍のコストがかかると指摘する。
フォローアップ用のXスペースでは、ゼロナレッジコンサルティング創設者であるオースティン・キャンベル氏は、法定通貨がブロックチェーンに移行すれば、「即時決済、低コスト支払い」の恩恵を特に商店主が受けられるだろうと論じた。
「多くの商人は非常に小さな利幅で運営しており、小規模な消費者ビジネスも利幅が小さい。コスト構造の改善で1ペニーでも利幅を増やすことは彼らにとって意味がある」とキャンベル氏は述べた。
1分間のスポットでは、アニメーション化された元米国大統領エイブラハム・リンカーンがペニー硬貨になって、デジタル形式に変換するよう訴えている。
The penny…
— Coinbase ️ (@coinbase) February 12, 2024
$1.2 million worth of them go missing every year.
It costs nearly 3x the value of one just to make one.
And it’s been 167 years since its last update.
Thankfully, crypto can move the penny forward.
Right, Abe? pic.twitter.com/FN8jtnPzj3
「ペニーに載ることはかつて意味があった...しかし今や、もちろん厳密にはお金ではあるが、それは年間1億2000万回も、ただのゴミのように捨てられる、ささいな願いと無意味な物々交換にすぎない」と映像の中のアニメーションのリンカーンは、掃除機に吸い込まれながら語る。
「想像してほしい。私が実際に物の支払いに使われることを。人々の間で、手数料や摩擦なしに瞬時に世界中を旅する。オールドエイブは再びお金としての役割を果たしたいだけだ。私をこの鉄くず状態から解放して、デジタルにしてほしい」。
一方で、米国造幣局は2024年もなおペニー硬貨の製造を続けている。これは、その運用を停止するための10年以上にわたる努力にもかかわらずである。2017年のデータによると、流通しているペニー硬貨は1500億枚、15億ドル相当に上ると推定されている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン