仮想通貨取引所のコインベースが、ブロックチェーン技術を利用した有料メッセージサービスのEarn.comを買収し、Earn.comのバラジ・スリニバサンCEOをコインベースの初代CTO(最高技術責任者)に任命した。テッククランチが16日に伝えた。

  コインベースとEarn.com(元の社名は21.co)は契約条件を明らかにしなかったが、スリニバサン氏がテッククランチにつたえたところでは、Earn.comの支援者の投資に対してプラスのリターンとなった。Earn.comは初期の投資で1億2000万ドルを調達しているので、今回の買収額ではそれを上回ったであろうことが推測できる。

 デジタル通貨取引所のコインベースは今回の買収の一環として、Earn.comのバラジ・スリニバサンCEOをコインベースの初代CTOに任命した。Earned.comの他のメンバーもコインベースへ移籍する。スリニバサン氏は電子工学の学士号、修士号、博士号と、化学工学の修士号を持ち、ブロックチェーン技術と仮想通貨の初期エヴァンジェリストとして知られている。

 スリニバサン氏はEarn.com設立以前は、ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツでジェネラル・パートナーを務めていた。今後も、アンドリーセン・ホロウィッツへの関与を続け、コインベース社でのCTOの職務とは別に、仮想通貨技術を持つ人材募集にも責任を持つとつたえられている。スリニバサン氏は次のように語った。

「コインベースのユーザーベースと流通パワーを利用すれば、数ヶ月後には年間経常収益が1億ドルに達することが可能だと思っている。私たちが大失敗になりえたものをヒット商品に変えたことを誇りに思っている。この先どう進んでいくのか楽しみだ」

 コインベースは最近、多くの優秀な人材を獲得している。コインベースは先週、新しいコミュニケーション担当副社長にレイチェル・ホロヴィッツ氏を任命した。ホロヴィッツ氏はフェイスブック社でデジタルコミュニケーション部門の責任者を務め、ツイッター社ではコミュニケーション部門の拡大と同社ナラティブの開発に取り組んだ経歴を持つ。

 17年12月には、ペイパル社とフェイスブック社の幹部デヴィッド・マーカス氏がコインベースの取締役会に加わった。コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、マーカス氏がもつ「決済とモバイルの両分野の知識」はコインベースの前進を「導く」のに役立つだろうと語った。