「アンチ・ドル」の流れが進んでおり、代替投資先としてビットコインが金と並んで注目されている。24日の米経済番組CNBCが報じた。今後この流れがさらに進むかを占う上で今週末のG20サミットにも注目が集まっている

FRB(米連邦準備理事会)は3月に金融緩和路線に転換。先週のFOMC(連邦公開市場委員会)では早ければ7月の利下げを示唆したという見方も出ており、ドル安の傾向が鮮明になっている。CNBCによると、クリントン政権時代のドル高政策やそれ以前のレーガン政権時代にあった急激な利上げによる長期的なドル高相場は終わったと見るアナリストもいる。

一方、ドルの代わりに上昇を始めたのは、金やビットコインだ。TDセキュリティーズのストラテジスト、マーク・マコーミック氏によると、ビットコインは「金の強化版」。「同じ要素を持ち、法定通貨ではなく、独特のリズムと動きを持っており、中央銀行を持たない」と解説し、アンチ・米ドル相場の恩恵を受けているとみている。

また、米マーケット調査会社ファンドストラット代表のトム・リー氏は、「現在のところビットコインと米ドルは負の相関関係がある」と解説。ドル安が進めばビットコインが上がる傾向があることを指摘した。

(出典:Fundstrat via CNBC「米ドルのビットコインに対する相関関係」)

先週、FRBは経済の「不確実性」が高まっていることを強調。この見解と多くのFOMCメンバーによる年内利下げ予想から、7月利下げもありうるのではないかという見方が出ていた。

スタンダード・チャータード銀行の貴金属アナリストであるスキ・クーパー氏は、今週末に大阪で行われるG20サミットに注目。FRBが利下げを判断する要素の1つになるとみている。

「我々は7月に利下げがあるとみている。もしポジティブな結果が見られ始めたら、利下げ見通しに影響が出るかもしれない」

米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席の会談は29日で調整が進んでいると報じられている