シビック・テクノロジーズ(CVC)は、同社のマルチシグ(複数の秘密鍵による署名)でノンカストディアルのシビック・ウォレットにはコインカバーから補償額100万ドル(約1億8460万円)の保険が付随すると発表した。

シビックは、仮想通貨業界では業界をリードする分散型IDプロバイダーとして知られている。今回発表したウォレットは現在、プライベートなベータ版だとしている。

シビックの共同創設者でCEOのバイニー・リンガム氏は、コインテレグラフへの話の中で、同ウォレットの機能に関して、米連邦預金保険公社(FDIC)を引き合いに出した。

「技術に明るいユーザーもそうでないユーザーも両方が、自身の保有資産が安全だと感じることができるというのは初めてだ。これまで、人々は自身のコインをコールドストレージに維持する必要があった。しかしこれからは最大100万ドルまで、銀行口座にとってのFDICのように、自身の資産の保管に関して心配する必要がない」

コインカバーのデービッド・ジャンクスウスキー氏は、コインベースは保険会社ではなく、「仮想通貨の保護およびセキュリティ会社」だと自身を考えるとし、補償については、ロイズ・オブ・ロンドンの保険業者と取り組むと述べた。

同ウォレットでは、1つの鍵がユーザーに保管され、もう1つの鍵はカストディアンのビットゴーに保管される。3つ目の鍵は、現時点ではシビックだが、最終的にはコインカバーが保管するよう移行する予定だという。シビックのリンガム氏は、この保険の主要な利点の1つは、シビックがダメになっても、ユーザーらはコインを損失することはない点だとしている。

また、法定相続人がコインカバーを通じて資金を回復できるのも利点で、現時点では、米国居住者のみ対象だが、将来的には、グローバルに展開する計画で、ビットゴーがサポートする全種類のコインを含む予定だとしている。

保険は現時点では無料だが、将来的には仮想通貨100万ドル超相当のアカウントには手数料を要求する可能性があるとしている。

同ウォレットのユーザーは、政府が規定する顧客確認に準拠する必要があり、顔認証ソフトウェアの対象となる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン