ステーブルコイン発行企業サークルは、米国の債務不履行のリスクを軽減するために、ステーブルコインの準備金を調整したと報じられている。

5月10日のPoliticoニュースレターによれば、サークルのジェレミー・アレールCEOは、同社が発行するUSDコイン(USDC)を支える準備金の構成を調整し、米国の債務不履行の影響を避けるという。

アレール氏は、6月初め以降に満期を迎える米国債を保有していないと語り、債務へのエクスポージャーを避けたいと説明した。「米国政府の債務返済能力の侵害の可能性を通じて危険にさらされることを望んでいない」と述べている。

ブラックロックが管理するサークル・リザーブ・ファンドによれば、現在の保有資産は5月31日までに満期を迎えるものだ。

Circle Reserve Fund Holdings. Source: Blackrock

今週初め、米国のジャネット・イエレン財務長官は、議会が連邦債務限度額を引き上げない場合、政府は決断を迫られることになると述べた。

米国のバイデン大統領と共和党は、31兆4千億ドルの借り入れ限度額の引き上げをめぐって対立している。米国が債務不履行に陥れば、24兆ドルの米国債市場と世界の金融システムが混乱することになるだろう。

競合するステーブルコイン発行企業テザーは、同社の準備金の大部分が、平均満期90日未満の国債に投資されていると主張している。

同社は5月10日の四半期保証レポートで、「流動性供給源としての純粋な銀行預金への依存度を減らすための措置を講じてきた」としている。

USDCの供給量は過去1年間で縮小し、2022年6月の560億ドルという最高値から46%減少している。これにより、市場シェアは23%に落ち込み、流通量は300億ドルとなった。これに対し対して、ライバルのテザーの市場支配率は62%に上昇し、流通量は820億USDTとなった。

4月にはアレールCEOが米国の暗号資産への取り締まりや迫り来る銀行危機が、時価総額縮小の原因であると非難していた。