USDコイン(USDC)発行元であるサークルは、ポルカドット、オプティミズム、NEAR、アービトラム、コスモスの5つの追加ネットワークで同社のステーブルコインをまもなく展開すると発表した。

同社は9月28日のイベント「Converge22」でこのニュースを発表し、これらのブロックチェーンへのサポートは2023年末までに展開され、コスモス版のUSDは2023年の初めに稼動するとしている。

9月28日の発表で、サークルのプロダクト担当副社長ジョアン・レジナット氏は、USDCの拡大により、「仮想通貨経済内の流動性と相互運用性の向上」をもたらすと強調した。

「USDCのマルチチェーンサポートを拡張することで、機関投資家、取引所、開発者などがイノベーションを起こし、信頼性が高く安定したデジタルドルへのアクセスを容易にするための扉を開くことができる」としている。

レジナット氏はコインテレグラフとのインタビューで、サークルは当初、イーサリアムで開発や活動の動きがあったため、イーサリアム上でUSDCを構築したが、将来は「マルチチェーンの世界」になるというビジョンを常に持っていたと説明している。

そのため、サークルでは、開発者が1つのネットワークで作業するよりも相互運用性を重視することを前提に、USDCのサポートを拡大している。

「私たちは他のエコシステムで多くの興味深いことが起こっていることを既に知っていた。そして、開発者やアプリケーション開発者は、時間とともに、自分たちが使っているレイヤー1やレイヤー2のインフラにそれほどこだわらなくなるだろう」

「相互運用性を求め、エコシステム間でソリューションを移植できるような柔軟性を求めるだろう」と付け加えた。

しかし、レジナット氏は、サークルがUSDCサポートの拡大を進めている一方で、現在のステーブルコインの規模(時価総額489億ドル)を考えると、同社はどのネットワークにも後れを取らないだろうと指摘している。彼は、サークルが次のブロックチェーンを選択する前に、多くのデューデリジェンスを実施するとしている。

「2年前、3年前にはなかったようなリスクが、今はたくさん存在する。そのため私たちは慎重に対処している。社内の全チームが、すべてのエコシステムを評価し、時間をかけて優先順位をつけている」という。

この追加サポートが正式に展開されれば、USDCは合計13のブロックチェーンで利用できるようになる。これに対し、サークルの主な競合相手であるテザーは現在、8つのネットワークに対するUSDTのサポートを展開している。