ビットコイン(BTC)が底打ちの兆しを見せている。資産である金(ゴールド)の上昇が過熱し、調整局面に入る気配を見せているためだ。
金の上昇が一服、ビットコインは反発の兆し
金相場は金曜に1オンスあたり約4380ドルの史上最高値を記録した後、そこから2.9%下落し、上昇が一服した格好となった。それでも年初来では依然として62.25%の上昇を維持している。
直近1か月の金の相対力指数(RSI)は70を上回る水準が続いており、買われすぎの状態を示唆している。このため、利益確定の動きが強まるリスクが高まっている。
一方、金が調整に入った期間中、ビットコインは約4%上昇し、4か月ぶりの安値である10万3535ドル付近から回復した。ビットコインのRSIも4月以来の低水準にあり、過去に60%以上の反発を導いた底形成のパターンと類似している。
この逆相関的な動きは、ビットコイン価格が底を打ちつつある兆候だと見るアナリストも多い。
アナリストのパット氏は、過去4年間の金との相対的パフォーマンスに基づき、ビットコインが底値を形成していると指摘している。
ビットコイン対金比率は、歴史的に市場の底と関連してきた水準まで低下しており、2015年、2018年、2020年、2022年にも同様の局面が確認された。そのたびに、ビットコインは100〜600%の上昇を記録している。
10月中旬時点でこの比率は再びマイナス2.5を下回り、金が4380ドルの最高値をつけた後、ビットコインが相対的に割安である可能性を示している。これが次の強気相場の始まりを告げるサインとなるかもしれない。
アナリストのアレックス・ウェイシー氏も、今回の金の調整は2020年のピーク時と似ており、そのときもビットコインのローカルボトムと重なったと指摘する。金が再びビットコインの反転上昇を示唆する「シグナル」となるかが注目されている。
HSBC「金の上昇はまだ終わらない」
一方で、金相場の勢いが減速しているとの見方に反し、HSBCは依然として強気姿勢を崩していない。同行は金が2026年までに1オンス=5000ドルに達する可能性があると予測している。
HSBCはこの見通しの根拠として、地政学的緊張、経済的不確実性、そしてドル安傾向を挙げ、これらが金需要を支え続けると説明した。
また、これまでの上昇局面とは異なり、今回の金上昇は短期的な投機ではなく、ポートフォリオの安定を求める長期投資家の動きによって支えられている点が特徴とされる。
2025年の金市場では過熱感を示す調整が複数回発生したものの、そのたびに価格はより高い水準へと押し上げられてきた。HSBCは、この動きこそが地政学的および金融面での不確実性の中にあっても投資家の信頼が維持されている証拠だと分析している。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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