バイナンス関連のDEXトークンであるアスター（ASTER）は、過去最高値の2.43ドル付近を記録した1週間後に25％下落し、火曜日時点で1.80ドルで取引されている。果たして10月に反発できるのか。
1.60～1.80ドルのサポートが反発シナリオを示唆
アスターは現在、1.60～1.80ドルの「強力なサポート」ゾーンに位置しており、この水準は過去に15～35％の反発を伴ってきたと、アナリストのマイケル・ファン・デ・ポッペ氏は指摘する。
同氏は「2ドルを突破すれば、過去最高値の2.43ドルを上回る新たな高値に到達する可能性がある」と述べ、数日以内の反発を予想している。
この強気シナリオは、アスターが形成している下降ウェッジ型のチャートパターンとも一致しており、このパターンはしばしば上昇へのトレンド転換を示すものとされる。ブレイクアウトが確定すれば、10月には2.22～2.45ドルへの上昇、すなわち35％以上の上昇が見込まれる。
トレーダーのビットコインハベベ氏も同様の見方を示し、1.60～1.80ドルからの反発が決まれば10月に3ドルに到達する可能性があると予測。「このレンジは買い集めのためのゾーンだ」と述べている。
強気シナリオを崩す要因は？
一方で、アスターが1.60～1.80ドルを下抜けた場合、シナリオは反転するとファン・デ・ポッペ氏は警告する。その場合、9月21～22日のサポートゾーン付近にある1.25ドルまで下落する可能性があるという。
この弱気シナリオは、下降トライアングルのチャートパターンに基づくものだ。このパターンでは高値が切り下がる一方、サポートラインが横ばいで維持され、最終的にサポートが崩れると売り圧力が支配的になり、急落を招くとされる。アスターの場合、この下降トライアングルの予測値は1.26ドルで、ファン・デ・ポッペ氏の10月の下値目標とほぼ一致する。
10月17日の大型トークンアンロック
テクニカル要因に加え、アスターは10月17日に大型トークンアンロックを控えている。DropStab.comのデータによれば、この日には1億8313万ASTER（約3億2500万ドル相当、時価総額の11％）が流通に加わる予定だ。
ただし、アスターは他の多くのトークンよりもこの新規供給を吸収できる体制が整っているようだ。同プロジェクトは1日あたり約10億ドルの取引量を処理し、22.6億ドル以上のTVL（総ロック資産）を保持しており、深い流動性が示されている。こうした活動の活発さから、市場は新規供給を吸収できる可能性が高く、むしろ「押し目買い」の機会と見なされれば過去最高値更新への足掛かりになる可能性もある。
しかし、全てのアナリストが強気なわけではない。ASTERを空売りして140万ドルの利益を得たと主張するトレーダーのゴードン氏は、現行水準では買い手が躊躇する可能性を指摘。さらに年末までに約7億ドル相当のASTERがアンロック予定である点を強調し、新規供給が市場に出回ることで「価格は下落を続けるかもしれない」と警告している。
アスターはこうした下落リスクを抑えるため、エアドロップ受領者向けの権利確定スケジュール（ベスティング）導入を検討している。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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