ゴールドマン・サックスは仮想通貨のトレードデスクを開設する計画を取り止めたと、米ビジネスインサイダーが5日に報じた。
ゴールドマンの仮想通貨への計画を最初に報じたのは、ブルームバーグの昨年12月の報道だ。ブルームバーグは、ゴールドマンが2018年6月末までに仮想通貨に焦点を当てた専門ユニットを作る計画だと伝えた。ブルームバーグに語った情報源は、ゴールドマン・サックスが「ウォール街の巨大投資銀行として初めて仮想通貨のマーケットメイカーとなる」ことを目指すと語っていた。
今回、ビジネスインサイダーは匿名の関係者の話として、ゴールドマンが仮想通貨を取り巻く規制状況が不明瞭な状態であることから、この計画の優先順位を引き下げたと伝えている。ライセンスを持った投資銀行がデジタルアセットを取引するには、多くのステップを踏む必要があり、その大半はゴールマンのコントロール外にあると、関係者は語っている。
ゴールドマンの広報担当者、マイケル・デュヴァリー氏はロイター通信に対して「現時点では、デジタルアセットの提供の範囲について結論には至っていない」と語った。
しかし、ゴールドマンは仮想通貨トレーディングを完全に捨て去るつもりはないようだ。ビジネスインサイダーの情報源が語ったように、ゴールドマンは仮想通貨のカストディ(保管)に注目している。これは、大口のクライアントに代わって仮想通貨を保管する事業だ。
今年5月、ゴールドマンのラナ・ヤレド氏は、同社が仮想通貨の売買を計画していることを明らかにし、「仮想通貨は詐欺ではない」とニューヨークタイムズに語った。
ゴールドマンのトップの仮想通貨の考えはどうか。ゴールドマンのロイド・ブランクファインCEOはかつてメディアに対して、「(ビットコインは)私のためのものではない」としつつ、もし仮想通貨が安定するならば、ビットコイン戦略を検討すると答えている。
今回の米ビジネスインサイダーの報道が影響してか、ビットコインは大幅に下落し、7000ドルを割り込む展開となっている。投資会社BKCMのブライアン・ケリー氏はCNBCに対して、ゴールドマンは「(仮想通貨の)エコシステムの一部ではまだない。だが、彼らが機関投資家の動きを代表するという意味で、これはネガティブな動きだ」と語っている。