バイナンスが、ブラジルの連邦検察庁と連邦警察による捜査対象となっている。経済紙バロール・エコノミコによると、同仮想通貨取引所は顧客に対し、仮想通貨デリバティブ投資の停止命令を回避する手助けをしていた疑いがある。

同紙によると、ブラジル証券取引委員会(SEC)は、2020年に同委員会が停止命令を出した後も、バイナンスが顧客に対して仮想通貨デリバティブを提供し続けた可能性があると、サンパウロ州の検事総長に報告している。ブラジルの法律では、基礎資産の性質に関わらず、先物契約は証券とみなされる。

SECは、2021年8月に撮影されたスクリーンショットを警察に提示。同画像には、ブラジルのユーザーが言語設定を変更し、バイナンスの先物取引セクションにアクセスする方法が記載されていた。また、ブラジルのユーザーに対する制限の通知がないポルトガル語コンテンツが多く存在しているとSECは述べている。

バロール・エコノミコが入手した公開情報によると、バイナンスは2月に、コミットメント契約の提案を提出して告発に対応した。その提案に対する決定はまだ下されていない。

バイナンスは同紙に対し、「ブラジルでデリバティブを提供しておらず、現地の規制状況に従って運営しており、ブラジルおよび世界の仮想通貨とブロックチェーン分野の発展のために当局との対話を継続している」との声明を発表した。

バイナンスは、これまでにも類似の告発に直面している。同社は、オンタリオ州証券委員会に活動停止を通知した後も、カナダのオンタリオ州で数ヶ月間営業を続けていた。バイナンスは2月に、米国の規制当局と協力してコンプライアンス問題の解決に取り組んでいることを認めたと報じられている。3月には、米国商品先物取引委員会から取引違反の疑いで訴訟を起こされている。