カナダのメッセンジャーアプリ「Kik」は2017年に行った1億ドル(約110億円)のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を巡り、米証券取引委員会(SEC)と裁判になっている。このほどKikは裁判所に対して、裁判を早期に終了させる略式判決を求めている。

3月20日、Kikは裁判所に略式判決を要求する覚書を提出した。覚書の中でKikは、SEC側が証券法違反を証明することに失敗していると主張している。

Kikは勝訴に期待

KikはICOではなく、トークン配布イベント(TDE)としてトークンを販売したとしている。またKinトークンは、証券か否かを判断する「ハウィーテスト」の3つの要件のうち、1つしか満たしていないと主張している。

Kikは、あくまでKinトークンは交換手段として宣伝したのであり、投資の機会としてとは宣伝していないと主張している。

「SECは、Kinの購入者がハウィーテストが要求するように、Kikまたはその他の重要な管理および起業家の努力から利益を期待するように導かれたことを示すことはできない。議論の余地のない事実は、Kikが投資機会としてではなく、新しいデジタル経済で使用される交換媒体としてKinを宣伝していたことを示している」

SEC側も略式判決を要求

SEC側も同日、Kikが証券法に違反したという「異議のない証拠」を保持しているとし、略式判決の請求を提出した

SECによれば、Kikは投資家に対して、トークンの需要が高まるとともにKinトークンの価格が上昇すると明確に述べており、「その需要に拍車を掛けるたえの重要な作業を行う」と投資家に約束していた。

SECは「Kikの2017年のKinの提案と売却は、SECに登録されておらず、法律に基づく登録の免除がなかった、一般への投資契約の提案と売却だった」と主張している。