イングランド銀行(BoE、英中銀)のマーク・カーニー総裁は2日、金融当局は仮想通貨に対する規制を、既存の金融システムと同基準にすべきとの見解を述べた。フィナンシャルタイムズが伝えた。

 エジンバラで初開催されたスコットランド経済会議で発言した。カーニー総裁によると、仮想通貨は現時点で、金融システムの安定に対する脅威とはなっていない。しかし、これから参加者が増えるとその危険性がある。「仮想通貨に既存の金融システムと同等の規制や基準を適用しつつ、両者を統合すべき」と強調した。

 仮想通貨を既存の金融エコシステムに組み込むことにより、マネーロンダリングや消費者のリスクを最小限にとどめ、仮想通貨の技術を公用に広く普及できるという。

 同総裁が先にロンドンのリージェンツ大学で講演した時には、ビットコインは通貨としては失敗したが、ビットコインのようなデジタル通貨は資産として見なされるべきとの見方を示している。
 カーニー氏の一連の発言は、英国の財務省特別委員会が、仮想通貨による英国の投資家やビジネスへの影響について調査する意向を示したことを意識してなされたものと考えられる。