独自動車メーカーBMWが、ブロックチェーンのスタートアップと提携をした模様だ。先週に引き続き2社目となる。電気自動車(EV)の素材となるレアメタルの供給網を追跡し、倫理的に調達するのが目的。ロイター通信が5日に報じた。
BMWは先週、中国のブロックチェーン企業VEChain(ヴェチェーン)との提携を発表している。今回提携したのは英国のスタートアップ企業Circulor(サーキュラー)だ。同社のダグラス・ポエンスゲンCEOはロイター通信に対し「BMWと協力して”クリーン”なコバルト調達をするため、ブロックチェーンで追跡をする」と話した。
レアメタルの一種であるコバルトの供給源は、戦争で荒廃したコンゴ民主共和国が名高いが、児童労働や職人鉱山と呼ばれる非公式な環境での採掘が問題になっている。
「問題がない供給源からコバルトを調達するのは経済的に理にかなっている」とポエンスゲンCEOは強調する。「システムの有効性が証明され、大規模に稼働できれば、職人鉱山のような問題にも対処していけるだろう」と続けた。
Circulorは昨年11月にロンドンで非公開有限会社として登記されているが、公式サイトがなく詳細は明らかになっていない。また、今回の提携についてBMWは公式発表を現時点でしていない。
特にドイツの自動車業界においてブロックチェーンの活用が注目されている。イノベーションや経費削減につなげようというトレンドがあり、今回の動きもそれに沿ったものといえる。
コインテレグラフは、メルセデス・ベンツのダイムラー社が独自の仮想通貨を発表したと報じた。仮想通貨「MobiCoin」を優良運転手に報酬として与える計画で、現在は500人の運転手を対象とした試験期間にある。
2月には独ポルシェがベルリンのスタートアップのゼイン社と提携して、ブロックチェーンの導入とテストに成功したと伝えている。