今後の仮想通貨相場の展望をめぐってアナリストの間で見方が分かれている。ビットコインは1500ドルまで下がるという予想がある一方で、「機関投資家はそこまで下がるまで待たないだろう」という見解が出ていて、短期的な値動きについて予想が難しい展開が続いている。

執筆時点でビットコイン(BTC)は3522ドル付近で推移。過去24時間で7%近くのマイナスとなっている。

(引用元:TradingView 「ビットコイン/米ドルの推移(1日)」)

 

「ビットコインは1500ドルまで下がる」

ブルームバーグのインテリジェンス・アナリストのマイク・マクグローン氏は、「ビットコインが1500ドルまで継続的に下がるのを食い止める材料はほとんどない」というメモを発表。この予想が正しければ、ビットコインは現在の水準からさらに60%ほど下落することになる。

「仮想通貨市場は2017年の熱狂を逆転させる動きをみせており、(相場急落の)典型的な心理状態を示している」

マクグローン氏は、相場急落のきっかけいになったのはビットコインキャッシュのハードフォーク騒動と指摘。「技術がかなり初期段階にある」ことを衆目に晒してしまったとし、「お互いを破壊し合うことを脅迫し合うという少し危険な人物」が現れ、「しばらくの間、距離を取った方が良い」と考えた人が多いのではないかという見解を示した。

11月にビットコインキャッシュがソフトウェアアップデートをめぐって対立。「ビットコイン伝道師」ロジャー・バー氏はビットコインABCを支持する一方、自称サトシ・ナカモトのクレイグ・ライト氏はビットコインSV側についた。現在は、ビットコインABCがビットコインキャッシュのブランドを受け継ぎ、騒動は終息に向かっているものの、この一件が仮想通貨相場暴落の一因になったという見方が出ていた。騒動の中で、ライト氏がバー氏に対して、ビットコインキャッシュを暴落させると脅迫し、宣戦布告したことが物議を醸していた

 

「3500ドル、3000ドルでサポート」

一方、仮想通貨に詳しいeToroのマティ・グリーンスパン氏は、ブルームバーグのマクグローン氏の予想に異を唱えた。

(引用元:eToro(マティ・グリーンスパン) 「ビットコインの重要なサポートライン」) 

クライアント向けのメモの中でグリーンスパン氏は、2017年に3500ドル、3000ドル、1800ドルの水準が重要な役割を果たしたと指摘。また機関投資家が1500ドルまで下がるのを待つ理由がないのではないかとし、次のように述べた。

「(機関投資家にとって)単純にFOMO(乗り遅れることに対する恐怖)がない

その上で、次の10年にビットコインが最高値を更新すると考えているのならば1500ドルまで待つだろうか、と疑問を呈した。