米投資ファンド大手ブラックストーンのスティーブ・シュワルツマンCEOが、ビットコインについて初めて口を開いた。
フォーチュンのインタビューに答えたシュワルツマン氏は、「私は誰かがマネーをコントロールする世界で育った」とし、ビットコインに懐疑的な見方を示した。ただ、その理由は誤解に基づいているようだ。
「過剰な(供給量)から経済を守るのが大事だ。また、不正行為をコントロールする必要がある。だから、誰も何も知らないまま決済するというアイデアは、多くの犯罪行為(汚いお金、薬物用のお金)で世界が溢れかえることになる」
同氏は、もしマネーの供給量の問題と不正行為の問題が解決されればOKかもしれないと答えた。
ただ、同氏は仮想通貨について誤解している面があるようだ。
例えば、ビットコインの供給量は最大2100万BTCと限られている。むしろマネーの供給過剰で問題があるのは、法定通貨の印刷を続ける中央銀行と現在の金融システムという声は多い。
また、ビットコインの取引は、ノード(ネットワークに参加するコンピューター)に常に監視されており、取引はノードを通して検証(Verify)される。「誰も何も知らないまま決済する」というのは、何を指しているのか不明だ。
シュワルツマン氏は、ビットコインへの投資はしないと即答。一方でマネー以外でブロックチェーン技術を適用するのはありと考えているようだ。
ただ、現在のところブロックチェーン技術導入の成功例はビットコインやその他の仮想通貨に限られている。その他の分野は可能性はあるものの、あくまで実験段階であるのが現実だ。
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米機関投資家による仮想通貨市場への参入は増えていると言われる。一方でシュワルツマン氏のような投資家が未だに存在している。さらなる普及に向けて一筋縄ではいかなさそうだ。