アジアでブロックチェーンの労働市場が成長を続けている。CNBCが8月31日に報じている。

 人材紹介会社のロバート・ウォルターズは、17年以来、アジアでのブロックチェーンや仮想通貨関連の求人が50%以上増加したと、CNBCに語っている。特にPythonのプログラミングに習熟した開発者への求人が多いという。

 オーストラリア、インド、シンガポール、マレーシアなど、アジアの主要マーケットでの求人情報検索サイトのデータを見ると、求職者はビットコイン関連のポジションよりもブロックチェーンやほかの仮想通貨に関連した仕事への関心が一貫して高いようだ。

 Indeedの広報担当者はCNBCに次のように語っている。

「アジアの状況は米国と同様に、ビットコイン関連(の求人検索)は、(価格のボラタリティと相関して)移り気な傾向があるようだ。…一方でブロックチェーンや仮想通貨関連の検索はより安定的に上昇傾向にある」

 Indeedのデータによれば、昨年末の最高値からの下落後、アジアでのビットコイン関連の求人への関心は減少傾向にある。その一方でブロックチェーン業界への関心は引き続き堅調だ。

 TenXのジュリアン・ホスプ氏は、自身のスタートアップの経験から、次のように語っている。

「仮想通貨が堅調な時は、この波に乗ろうとする人々から非常に多くの流入があった。だが、18年はじめに仮想通貨げ下落に転じると、『おい、まいったな。こいつは死に瀕している産業だ。転職するのはやめておこう』となった。これが私たちが今直面している状況。完全に感情的なものだ」。

 仮想通貨やブロックチェーンのスタートアップではなく、伝統的な金融機関では事情が違うようだ。

 DRWの仮想通貨部門である、カンバーランドでアジア事業開発担当を務めるジャスティン・チョウ氏は、資本市場のプロにとっては、価格の下落は大きな問題ではないと、CNBCに語っている。

 CNBCは規制の状況も重要な要素だと指摘している。中国では政府が仮想通貨を厳しく規制する一方で、ブロックチェーン技術に熱心に取り組んでいる。

 NEO財団のベンチャーキャピタル部門の創設パートナーを務める、ウェイン・ヂュー氏は、中国での資本市場への厳しい締め付けによって、金融の専門家が仮想通貨の分野に進出していると指摘する。「人々は次のように考えている。『どこで実際に取引ができるか、企業の資金需要はどこにあるのか、流動性はどこにあるのか。私のビジネスを成長させてくれるマネーはどこにあるのか』とね」。